第428話 ナオミの思い出

おいしいね、って言う顔は

罪はないけれど。



おいしいと感じる味は

もともと、生き物のもつ

タンパク質、つまり




誰かの生命だったりもする。



それが嫌で、植物しか食べない人もいるけれど



植物だって生きている。



それを、原罪と言ったり



もするけれど




でも、生きているんだもの、仕方ない。





れーみぃは「お腹には勝てない」と言ったけど



食べない訳にも行かない。







「あ、Naomiぃ」って

れーみぃがかわいい声。




Naomiは、クールな顔立ちで



お腹すかないのかな?

なんて、めぐは想ったけど(笑)


でも、ヌードルスープのお鍋を



ちら、と見る視線は


食べたいよー、って感じ。






なんたって若いんだもの(笑)。









Naomiがスリムなのは

ダイエットしてる訳でもなくて。



もともと、あんまり食べないたち、だったからもあったり。





ちっちゃい頃、わりと好き嫌いがあって




お母さんが「Naomiが食べてくれないよーって泣いちゃうよ、トマトちゃん」って




食の進まないNaomiに、かわいいたとえで


そう言った事を



いま、彼女は思いだしたりして。






お母さんに世話焼かせたな、なんて




懐かしい思い出に浸ったり。





でも、トマトちゃんは

食べられない方が幸せじゃないかな、なんて

幼かった彼女は


そう思ったりして(笑)。

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