第402話 biological love

でも、ミシェルは

年頃の男の子だから

Naomiお姉さんが抱きついて来たりすれば

生物的に受け入れたくなる(笑)。



それは、仕方ない。



生き物としては、好ましい異性なら

受け入れて、生き残るようにできているから

人間は、ここまで数が増えてきた訳なので




それは、ミシェルの意識とは関係なく

自動的に起こる生物的プログラム。




それを[不純]と思うミシェルの

感覚は、文学的なものであったりする。



それとは別に、人間には生物的な基本があるから



別に不純な訳でもない。




でも、そういう体験を初めてすると

戸惑うのもまた少年である。




廊下を歩いてひとり用個室に向かうミシェルは


やや、Naomiお姉さんから離れられて

安堵しているところもあったりして(笑)。



「リサ姉ちゃんが抱き着いても、ああは

思わないんだけど」と



Naomiの接触にときめいてしまう自分に

戸惑うミシェルでもあったが




それは、単に慣れの問題で



生物的な生殖は、開拓だから

慣れている異性には、開拓しようと

プログラムが動かないだけの事で



なので、リサにはプログラムが動かない。


そういうシステムで、劣性遺伝子の重合を

避けている、見事な発生生物学的プログラムの

動作を、ミシェル自身が確認しているだけの事、である。






それを未だ知らぬ少年ミシェルの悩みも

若さ故。




列車は、北に向かって尚も進む。

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