第359話 north

神様のように、歴史を傍観できるひとは

めぐのしている事を



良くない


と思うかもしれないけれど



歴史ではなくて、思い出を作りながら

生きているひとたちには



良し悪しなど、あとで分かる事だし




良し悪しなんて主観である。




ジョナサンさんの場合、危険が避けられたならめぐの行為は良い事だ(笑)。




ひと昔前とは違って、経済的ないさかいで


戦争を起こす程の事はない。



戦争が起こる理由は、今は専ら

思想とか、宗教の違い。



つまり、思い込みである。



そういうものは、頭の中で



目の前の現実を歪曲して考えるから

起こるので






つまり、それまで生きてきた中で

覚えた事柄の関連づけを

変えればいいのである。




コンピュータで言えば、それをdebagと

言うが

つまり、メモリに残っている

電荷の変更なので

物理的には簡単な代物、


電荷を変えるなど、魔法に頼らなくても

容易であるが



たまたま、めぐは魔法使いであった。


人間の記憶は電荷ではなく、神経の接続だけれども

電荷で接続をしている。




リサの思い込みを変えるのも、この方法で

すればいいとは


まだ、めぐは思いつかない(笑)




そんなものだし、友達はやっぱり大切。



見ず知らずの侵略者に使える魔法でも

友達には使いたくない。


それも、尤もだ。








「お友達は、汽車でくるのがの?」リサの

おじさんは、のんびりとしている。



リサに似た、すっきり顔で

そういう言葉を使うので


親しみを感じて、微笑んでしまうけれど




北の方の人達の特徴みたいだ、と

めぐは思った。




北の方の人々は、とにかく寒いから

助け合う感覚が身についていて。

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