第318話 school fellow

高校時代の友達って、ずっと

長く友達で続くなんて、よく言うけど


それは、こんなふうに

学生から社会へ進む時期、いろんな思い出を

一緒に過ごすからかな、なんて

リサは思う。




ちょっと困った時、そばにいてくれるだけで


とても心強い。



18歳って言っても、まだまだ甘えていたい。



そういう気持ちを、みんな、共感できているから



一緒に、こうして、付き合ってくれるんだ。



休みだから、好きな事したり

ボーイフレンドとデート、とか

(笑)。






デート?(笑)。



そういえば、みんな、恋人らしき者はいなかったけど(笑)





そういうところも、付き合いがいい理由かしら。


なーんて、リサは微笑む。



すると、めぐは


「リサ、余裕ね」なんて。



微笑みをそんなふうに見る(笑)。







「そうじゃなくって。友達っていいな、って

思ったの。」と

リサは、ホントの気持ちを言った。






「そうよ、今更気づいたの?」なんて


Naomiは、ちょっと睨むふりして微笑む。




すっきり美人顔で、そうすると

結構カッコイイ(笑)。






ふと、めぐは


さっきの「ディズニーランドいくー」の

女の子をみると


別に、駄々をこねるでもなく

椅子の上に立って、景色を眺めている。



「ディズニーランドいくー」とは言ってないけど。




海の景色の向こうに、ディズニーランドが見えるのだろうか。




その子には見えるのかもしれない。




想いってそういうもので



空間を飛び越えて、楽しい景色が見える事も

あるのかもしれない。







お母さんは、別に諌めるでもなく

椅子の上で眺める景色に飽きるまで

立たせている(笑)。


もちろん、靴は脱がせているけれど。






優しい、お母さんだけど



おばあちゃんの家に行く予定を、変えて

ディズニーランドに行くような、そういう

母親ではないあたりに


リサは、好感を持った。



「おばあちゃん、待ってるよ、会うの

楽しみに」と


言って、この、お嬢ちゃんの

気持ちを



変えていた。





もちろん、この子が

自分勝手な時期だったらダメかもしれない説得だけど(笑)。





おばあちゃんが、自分を好んで

待ってくれている、と


そういう結び付きを

子供心にも覚えると


むやみに、子供とは言え


人の心を反古にはしないものだ。



子供だからこそ、好きな気持ちには敏感なのかもしれない。








そんなふうに、諦める、と言う事を

少しずつ覚える事は


例えば、この電車の車体、

ステンレスのヘアライン仕上げのように


細かい傷をあらかじめ付けて、

大きな傷をつきにくくする、なんて事に

似ていたりする。




いつも、諦める事を少しずつ覚えて

それに慣れると




そんなに、我が儘にはならないものだし


諦める事が、カッコイイと

思うようになったりもする(笑)。





そうすると。駄々っ子は


みっともないと

感じる子になるのだし。













ーーーと、リサが

思った訳でもない。


(笑)



でも、リサは


従順な子供だったし

お姉さんだし。



機関車乗りのおじいちゃんと一緒に住んでると


勤務のせいで、昼間、寝ているおじいちゃんを起こさないように、って

静かにしていたり、


友達がヴァケーションに行ってる時も


いけなかったり、と


そういうふうに

諦める事に慣れる子供だったりもして。





それを美徳に思っていたから、

この、「ディズニーランドいくー、」の

子が、駄々っ子でないところに


共感を感じて、愛らしい、とも思った。





......反対に、ディズニーランドに連れて行ってあげたくなるけど(笑)


気持ちってそういうものだ。


駄々をこねられると、意地でも

連れて行きたくなくなる(笑)。




気持ちってそういうものだな、と



リサは、「そういう気持ちって、車掌さんになったら大事かな」なんて

真面目に思ったり(笑)。


電車は、海沿いのカーブを


ゆっくり走っているみたいに

感じられる。


実際の速度は時速80kmくらいで

かなり早いのだけれども


電車は元々早いので

減速すると、ゆっくりに感じる。




乗っていると感じないけれど


地球だって、時速1700kmで回るのだけど

乗っていると、相対で0km/hだ。




感覚は、相対的なものである。







また、時間感覚も

物理的な原基と比較しなければ....。


多分に相対的で、だから

人は焦ったりする。


そんな時、例えば機関車乗りは

物理的な原基と比較する。


速度から、進むべき距離を割り出して

現在の地点を比較し、到達点までの距離から


速度を増減するだけだ。


そうすれば、焦ることはない。




よく、リサのおじいちゃんは

そうしていた。


普段の生活でも。


それは、職業的な感受性であるけれど

理論的に正しい行動である。






そんな風に、時間だって

相対的に感じてるふだんと、

リサのおじいちゃんみたいに、絶対的な原基で

動いていた人と。


ふたとおりある。



その絶対にあわせるのは結構ストレスなので

それで、国鉄職員は


退職すると、健康を害する人が多い。





規則的な3次元時間軸に

合わせて行動するのは、結構面倒(笑)。


物には質量があるから、加速、減速が


等しく規則的にならないから。




なので、結構列車の時刻はいい加減だったりするのは

南の方の国。


その方が、自然なんだって考え。

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