第304話 a little happiness

天使さんを退職、と言っても

退職届を書く訳でもないし(笑)。


神様に雇われてもいないので

失業保険が貰えないし(笑)。



それ以前に、雇用保険にも入ってない。


そもそも、雇われていない(笑)。



でも、神様はわがままである。ふつう。



「天使を勝手に辞めるなど、許さん」と


天使さんより、ずっと人間っぽいのは

大抵、そういうもので

リーダーになる者、と言うのは

客観性が必要で

自らを律する力がある事が条件、である。



全能の神、とはいえ


それ故、自己抑制が必要、である。


例えば、天使を辞めると、クリスタさんが言っても


「許さん!」と認めない神様は


労働基準法違反である(笑)。



退職の14日前に意思を表明すれば、辞めてよいのだが


それは人間の世界の話(笑)もとより、雇われてもいない。




クリスタさんは個人事業主になるので、労働基準法の対象外だ、として

神様は、責任逃れをしてはいけないと(笑)



自らを律する者が、神様になれる。



だから、神様なのだけど(笑)



実際には結構、神様はわがままで

人間界の法律も及ばないから、したい放題である(笑)



でも、天使さんもそれで一向に構わないのは



天使さんは、神様の配下でもなんでもないところで。


それは現実である。




宗教の本に書かれている事と、大きく違うのはそのあたりで

実は、神様は天使さんに命令できる訳でもない。


神様が一番で、あとは部下、なんて構造は

宗教を、社会の統治に利用しようとした人間の創作である。(笑)。



ジーザスも、仏陀も別に威張ってないもの(笑)。



自由意志で行動するから、天国なのだし極楽浄土なのだ。



拘束される幸福なんて、あり得ない。






そんな訳で、クリスタさんは天使さんを自由意志で退職(笑)して


失業保険ももらわず(笑)



地上に降りた。


それは、悪魔くんから生まれ変わったにゃご、今猫の姿をしている

彼の魂を救うため。



それは立派に天使のお仕事なのだけれど、めぐに宿ったまま

悪魔くんだった頃の彼に出会ってしまったので......。



天使と悪魔は、住む世界が違う。



それで、悪魔くんは魔界を捨てて、猫に生まれ変わった。

まず、動物に生まれ変わるのは順序で

そこから修行を積んで、魂を磨いてゆき

人間になって、いつか、天国へゆく。




それは、宗教の経典にもあるけれど

そこは真実である。


社会、天界も魔界も人間界も社会である。


それぞれのフィールドに適応して、助け合うこと。


それを続ける事が社会の為である。



助け合えない者は、反対に天界から人間界、動物界、魔界と

陥落する。




生物社会学、と言う日本の京都大学で興ったジャンルは

仏教国でありながら、そうしたニュアンスには西洋的な宗教の

ムードも感じられる。


家族、と言う最小単位の「社会」を持つ事が人間。



それぞれの社会のために生きる。

利己的なのはNGだ(笑)と言う、分かり易い定義だけれども。




理科系の発想、でも文科系の宗教の経典の

定義にもなっていたりして。




ユニークな学問である。








地上に降りた天使、クリスタは

いま、元悪魔くんの猫、にゃごの魂を癒す為に

彼にとっての女神になっている。



それは、愛。



彼がもし、人間界に居るうちに

癒しが得られたなら......



彼は、悪魔にならずに済んだが


それは、もう過ぎたこと。


これから先、「時間」はいくらでもあるので

生まれ変わりを繰り返して、魂を磨いてゆけばよいのだ。




人間界に、もっと天使がいるといいのだけれど....。

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