第302話 魔法、なつやすみ。

爽やかに目覚めたのは、

たぶん、めぐ自身が


魔法、なんて訳のわからないものを

使う事を運命だ、と言われても

(笑)ねぇ、って


そんな感じ。



あまり面倒だと、嫌になってしまう。



よくあるように正義の為に働くとか

言っても、それで、疲れてしまうなら



嫌。



それは、ふつうの感情だと思う。



まんがみたいに、正義のヒロイン、なんて

ちょっと、できそうにない。



今のめぐは、そんなふうに感じていた。


人間だから、そんな時もある。





おばあちゃんは、それがわかっていて



おばあちゃん自身の経験から、

「自ら必要だと思うまでは、お休みしても

いいわね」と


そんなふうに思った。


でも、それをおばあちゃんに言われるより

めぐ自身が気づいたほうが、

めぐ自身が、気持ちよいだろうと


そう思って、何も言わなかった。



おばあちゃんも、魔法使いさんだから



18歳くらいの時、同じように

思って


誰かに指図されるのは嫌な年代だし、と



そんな、記憶を思い返して。






めぐは、自分自身で


魔法に、夏休み(笑)。




それも、楽しいVacation。




階段のところで、にゃごに会っても。


にゃごは、ふつうの猫で



めぐは、年老いた彼を想像して悲しくなる事もない。





子猫を慈しむ、にゃごを

楽しそうに眺めるだけ。






「きょうは、図書館行くね。クリスタさん、いありがとう、いままで。」と



クリスタさんの部屋に行って、言おうと思ったけど


果て、今目覚めたけど



夕方だった(笑)と



気がついて。



「そっか、あたし、お昼寝してたんだっけ。」と



誰もいないのに、恥ずかしくて

真っ赤になっちゃったり(笑)。




じたばたして、表に出ようとして

サンダルを履きそこねて

転びそうになったり。





夏休みが戻って来たみたいな、そんな気持ちに

めぐは、なっていたりした。

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