第266話 friends

「おまたせー」と


れーみぃは、私服で戻ってきた。


涼しそうな夏服、

真っすぐの黒髪は、斜めにまとめて。



ハイスクールの頃と、変わらないように見えて

その事が、めぐを微笑ませた。




もちろん、めぐはタイムスリップしてるので


そのままハイスクール・スチューデントなんだけど



その事は誰も知らない。




警察カフェ(笑)は、コーヒーの類は

好きに飲める。


でも、外から人が入ってこないのは



「なーんとなく警察って怖いって思われてるのかしら」と、れーみぃは言った。






「それは.....そうかもね」と、Naomiは笑う。



そうよね、と

れーみぃも笑う。




みんなも笑った。




そこに、パトカー、

Adam-Seven#30のスティーヴが戻ってきて。




「楽しそうだね」と。





「けーさつは怖いとこ、って話してたの」と


れーみぃはユーモアたっぷりに。




紹介してよ、と言うスティーヴと、となりのフランク。



フランクは、メキシカンらしく


縮れ髪、色浅黒く。

敏捷で、親しみのある青年。




れーみぃは「ああ、パトロールの先輩のスティーヴとフランクね。さっき会ったでしょ?


こっちは、ハイスクールの仲間。



めぐは図書館司書、だっけ?(笑)

リサは路面電車の運転手さん。

Naomiは郵便屋さん。






それぞれに、宜しくご挨拶。





フランクもスティーヴも、青年なのに

ハイスクールくらいの男の子とちかって

あんまり怖い感じがしないと

めぐは不思議に思った。




それとも、それが本当は怖い恋の罠なのだろうか(笑)などとも思った。





「女子高なの」と、れーみぃは続ける。






「へー、女子高!いいなぁ、なんか。

学園祭とか楽しそう。」と、フランクは

気さくに話す。



気取ったところのない彼は

誰にも好かれそうで。


親しみのあるお巡りさん、そういうイメージ。



町の中で困っている人を見つけたら

親切に、力になってあげる。



そんな感じの人。





リサは、おじいちゃんたち

国鉄の人たちと同じ雰囲気を


フランクや、スティーヴに感じた。



それで、心温まる思いがした。

それで、試験のプレッシャーも思い出した(笑)。





フランクは、リサの表情を見つけて

「どうしたの?お嬢さーん。」と


おどけたので、リサも、心和む。



Naomiは「この子、こんど試験なの。それでね。


みんなで励ましてたのよ。」と。




スティーヴは「やっぱりいいなぁ、高校の

友達って」と、明るく笑うので



Naomiも、ちょっとその直裁さに

心惹かれた。



ひろーい平原で、羊飼いでもしていそうな

彼の朴訥さに。

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