第252話  hotspring in postoffice



hotspring in postoffice



そっか。


めぐは閃いた。


あたしの魔法でも、役にたつことってあるんだ。



夢におじゃまして、気持ちの

エステ(笑)をしてあげれば。








などと。

医学的にもそれはおそらく正しいだろう事は

これまで述べた通り。



ジグムント・フロイドなどは

夢で、心が読めると

言ったくらいで(まあ、異論も多いが)。







「あ、めぐ、お風呂入ってく?」とNaomiはにこにこ。




ここのお風呂、温泉なの。とNaomiは

楽しそうに言った。




「温泉かー、いいなぁ。」と

めぐも、おばあちゃんと一緒に入った

おうちの温泉とか、幼い頃の事を

思い出したり。




シャボン玉作って

遊んだり。




おばあちゃんの背中を流したり。




三つくらいだったかな。



お風呂、楽しい。






「Naomiも入る?」と、めぐは言うけど



「まさか、仕事だもん。終わったらね。」と




夕べ、お風呂に入れなかっためぐを、気遣かった。




それで、郵便局カフェ(笑)から




郵便局温泉を、めぐに案内した。



屋上に露天風呂、地下に大浴場、とか


リゾートみたいなんだけど(笑)。のどかなこの国らしい。



郵便貯金クラブ、と言う

おもしろいクラブに入ると


ここが使えるらしい。





古ーいエレベーターは、ギアの音がして。


ベルの音も、本当に鐘が鳴るのだけれども



そういう、古めかしい感じを


どこか、めぐは

好ましく思っていた。



おじいちゃんみたい、そんなイメージもあって。





「そっか。リサにとっての電車って

おじいちゃんなんだ。」とめぐは思う。



リサが、おじいちゃんを悲しませたと


思ってしまっているので


その、電車、は


おじいちゃん、いなくなってしまったおじいちゃんの

イメージなんだ。





それで。試験に落ちたくないって

思うんだ。






めぐは、なんとなく思ったりした。


そういう気持ちって、わかる。






「じゃ、後でね」と

Naomiは、仕事に向かう。



屋上露天風呂の入口で、めぐと別れて。




メールする、って言ってたけど






「3年後のあたしに届くだけね(笑)」と


めぐは、時間旅行してる事をすこし忘れてた。



3年後のあたしが、同じメールアドレスだったら



変だけど。






屋上露天風呂は、なーんとなく管製と

言う感じの


無骨なイメージだけれども。



そこがかえって、好ましいと



めぐは思う。







脱衣所に、コインランドリーがあったりして


「郵便局に住めるね」と、めぐは思ったり。




お風呂と、食堂。


あとは寝るところか(笑)。



めぐは、着てるものを全部脱いで、洗濯機に入れて。



その間、露天風呂に入っている事にした。




屋上露天風呂、と言っても

リゾートじゃないから、周りはビルだらけ。

なので、囲いしてあって

景色は良く見えない。




でも、空は見えるから




地下よりはいいかも。



Naomiの話だと、郵便局で働く人は


結構、汚れ仕事なので


お風呂に入れるようにしてあった、と

言う話だ。




それを、お客様にも

使って頂いて、と言う

そういう話らしい。



「優雅ね」と

めぐは思う。



簡素な、ふつうの露天風呂だけど

安心できる雰囲気があったりして。




岩風呂とかって、けっこう

足が痛かったりする事があって。



ふつうのお風呂の方がいい、って

めぐは思ったりした事もあったりして。




「いいなぁ、なんとなく。」めぐは安堵した。


露天風呂には誰もいない。



のーんびり、ゆったり。


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