第251話 21 郵便局のごはん



それで、ごはんたべながら


めぐは、リサの事を

話した。




「眠れないって、そんなに辛いのかな」と。



Naomiは、うんうん、と唸って



「そりゃそうよ。だって、電車だもん。


レールの上走るんだし。


自動車と違って、ぶつかって来ても

避けられないし。



」と




Naomiは、あたりまえだけど

確実な事を言った。




「郵便局だってね、バイクぶつけたり

自動車壊したりってあるけど。


電車は大きいし。」





神経を使うから、寝られないのかな?


なんて。




そんなにまでして、なぜ

リサは路面電車に乗りたいのだろう?


めぐは、Naomiに聞く。




と、「んー、なんか、おじいちゃんが

電車の運転手さんだったんだって。



路面電車じゃなくて、国鉄の。



それで、ちっちゃい頃に。




おじいちゃんは、リサを

国鉄に入れ、大きくなったら。




なんて言ったらしいのね。




リサん家は、男の子いないから。




でも、リサは反抗期だったのかなー。



嫌だって言ったらしいのね。(笑)。






おじいちゃんは、とっても悲しい顔をして、

定年になったら、すぐ死んじゃったんだって。



」Naomiは、真面目な顔で

そんな事を言った。





「じゃあ、リサは、おじいちゃんへの

謝罪の気持ちで.....。」と


めぐが言うと、Naomiは


[シャザイってなーに、あ、難しい事言うーぅ。


文学少女!」って


おもしろい事を言うから、めぐも吹き出して。



真面目な話してたのに、明るくなった雰囲気。




なので

友達は楽しい。



ひとりで考えてたら、落ち込むかもしれないもの。




なんて、めぐは思った。







「でも、そういうのって贖罪、って言うのかな」なんて


Naomiも言うと、めぐは


「食材?」なんて返したので



どーしたの、文学少女。と


Naomiは笑い「でも、そういうのって

思い出でも、パワーになるのね。

使命感って言うか。」と


真面目な顔をするので、めぐも一瞬真面目になって、でも「氏名館かしら」なんて


ネームランドみたいな事を連想して


ひとりでくすくす。



でも、Naomiには、訳わからないけど

なんとなく、彼女も釣られて笑った。









笑いながら、めぐは思う。




その、おじいちゃんの気持ちを。


たぶん、悲しい気持ちで

天国に行ったんじゃないと思う。





その気持ちを、リサに伝えてあげられたら。



リサが、思い詰めて

電車に打ち込む、その

肩の力がすこし抜けるんじゃないか、って。





そんな風に、めぐは思った。

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