第133話  繁栄と安定



繁栄と安定



この、公安委員会の動きを

首相が知り、その捜査について

「必要ないでしょう」と

彼は、穏やかに述べていたのだとか。



そのために、この捜査自体が

打ち切りになった。(笑)。



魔法が無くなっても、いま、この国の人々は


見せ掛けの繁栄に惑う事なく

安定と、平穏を選んだのだった。


ひと時、ギャンブルに走り

相場師が闊歩していた金融市場。

それによる、一時の繁栄も

相場の動向に左右される不安定な暮らしが


結局、不幸を呼ぶと言う事に

人々は気づいたのだった。



そのせいで、不幸な子供達は減ったから


オートバイで、にゃごの前々生みたいに暴走するような子供も

居なくなった。




いい事だーーー。



それはトモカク「もう、大丈夫みたい」



と、ルーフィは、安堵して

図書館に戻ると



まだ、クリスタさんもめぐも

主任さんも、図書館に居た。



ルーフィの帰りを待っていたのだった。




「ご無事でしたか」と、主任さん。


「よかったー。」と、めぐ。



「大丈夫だったんですね。」とは


クリスタさん。



「うん、めぐちゃん達も大丈夫?お巡りさんが連れて行ったかと、僕は思ったよ」と、ルーフィ。



「オートバイ、乗りたかったな」と、めぐ。



一人乗りだもの、と、ルーフィが言う。




「そう!逃げろ、って。

あたしにも声聞こえたけど。

だから、一緒に行こうと思ったのにー。。」


めぐは、楽しそう。




「うん、あれはね、オートバイの魂さ。

表にある。YZRくんだね。


にゃご、のお友達のオートバイに頼まれたんだって。


めぐも魔法使いで、警察が追っているって思ったんじゃないかな。」





そっか、と、めぐは笑って



「魔法使いって、追われる事も

あるんですね。」と


面白い感想を述べた。





「ふつう、そんな事ないんだけど」と

ルーフィは笑って。



「今回は特別さ」と


めぐと、クリスタさんの命を救う為に

仕事をした事は、伏せた。



それで、ふたりが気にしないように。




そんなふうに、ルーフィは

優しい気持ちで。




「でも」めぐは

にこにこと。



「オートバイで行くより、魔法で

飛んで行った方が早いんじゃないかしら」と。



「そうだね。」と、今にして

ルーフィは行動を振り返った。



でもまあ、折角迎えに来てくれたのに(笑)。


魔法で逃げますとも言えない(笑)。




オートバイだって、走りたかったのだろう。




オートバイは、走る為の機械。


たぶん、お馬さんが

走らないと病気になってしまうように

オートバイも、走らないとダメなのだろう。




そして、人が乗って走る機械だから

心の通う人に、乗ってほしい。



そんな感じなのだろう。



「どこから来たのだろう?」と


ふとルーフィが気づくと


すでに、彼の姿は、見えなかった。






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