第123話 魔法と工学

魔法と工学



「さあ、図書館に戻って

絵本を返して置かないと」とルーフィ。


「楽しかったな、なんだか。」と

めぐは、これまでの旅(笑)を

振り返ったり。


ちょっとした気持ち。


その想いのせいで、絵本の2次元世界へ飛び込んでしまった。

ルーフィですら、思いつかないような

それは、不思議な魔法だった。



この、3次元時空間のところどころから

4次元の時空間に飛び込んで、そこで時間や空間を伸縮させる。


それが、ルーフィたちの時間旅行だけど

2次元や1次元、0次元にも行けるのは

理論的には証明されていても、実行している人は居なかったから

めぐは、先駆者だ。


無鉄砲なその行為を、咎めるでもなくルーフィは


自分が守ってあげなくては、と


めぐの事を、大切に

思うのだった。




こんどは、ルーフィがハンドルを握って、図書館に戻る。


スタンドを立てたまま、ペダルを漕いで

クラッチをつなぐ。



エンジンを掛けて、すぐ、クラッチを

切る。



エンジンは、ぽんぽんぽん、と

可愛らしい音を立てて回っている。




「面白い乗り方」と

めぐは喜ぶ。


拍手(笑)。




ルーフィは、ちょっと照れ(笑)。


めぐが、とても可愛らしくて

ちょっと、どきどきしたのもある(笑)。



魔法使いとは言っても、人間だ。



めぐは「機械の事、もっと教えて。」と

素朴に言うので、ルーフィは

もっと、嬉しくなった。



プログラムが作れるめぐなら

魔法も作れるだろうし

機械も、理解できるだろう。


そんなふうに、魔法使いは

昔から、世の中の役に立っていて。



しばらく、科学技術が代理をしていたけれど



また、めぐの世代で

魔法使いが、頑張れば



ルーフィのご主人様も、前途を

悲観せずに


200年の眠りから覚めるのではないかな、なんて

楽観的なルーフィでもあった。




「機械ね、いいよ」と、ルーフィ。


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