ただ将棋をして話すだけ

作者 takemot

単純な中に広がる無限

  • ★★★ Excellent!!!

将棋盤は平坦です。
9×9の81マス、非常にシンプルなもの。
ただ、駒を並べると無限の広がりを持つ戦場に様変わりします。

本作はタイトルがシンプルで、タイトルから察せられる内容も至って単純そう。
そう考えて気楽に、ひとさし……もとい、ひとたび本作に触れると、引き込まれます。
内容は単純な会話です。
一話も短い。
だけれど、奥が深い――。

話を読んでも、ストレスは感じません。
会話からは暖かい雰囲気が伝わります。
内容は単純であり、想像を働かされるところもありますが、自分に合わせて読み込んでいけます。
簡単に言葉を流し読みすることもでき、言葉の意味を追って師匠と弟子の内情を突き詰めていくこともできる。
サラリと雰囲気を楽しむこともでき、文字を読み込んで内情を考察していくことも可能なのです。

これは凄い。
本作はラノベです。
ラノベはキャラクター小説です。
しかし、本作はキャラクターというより、会話がメインの作品に仕立てられています。
しかし、キャラクターが立っている……。

単純そうな会話のなかに、無限の広がりが秘められているのです。
まさしく、盤上に広がる無限を追うが如く――。







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