第22話 第15.5局②
自分のことがよく分からなくなった。あの子のことを突き放したいのか、それとも突き放したくはないのか。以前、『私はもう、あなたの姉さんじゃないよ。』なんてメッセージを送っておいて、今回は、『頑張りなさい。』なんて・・・。
だが、あの子が5敗目をしてしまったことを知って、胸が締め付けられてしまったことは確かだ。
「『姉さんの代わりに、絶対に4段になります』・・・ね。」
あの子は、今も、その約束を果たそうとしているのだろうか。
あの場所の呪縛から、そして、将棋の呪縛から逃れようとしたのに、私は未だに、逃れられないでいる。
「本当に、何がしたいんだか・・・。」
そう呟いて、私はスマートフォンの電源を落とした。
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