第13話相反する感情に苦しくなることも
翌日になり、眼を覚まし隣に顔を向けるとすぅすぅと寝心地が良さそうに寝息をたてている灯莉の顔がある。
やっぱり灯莉には勝てない......寝顔でさえも可愛くて、嫉妬してしまう。
つい手を伸ばし、寸前のところで思い止まり、手をひく私。
駄目だ駄目だっ!昨日、後悔して反省したのに、再び過ちを犯そうとするなんて。
ベッドを降り、自室を出ていき、リビングへと歩き出す私。
私は、リビングのキッチンで食パンをトースターでカリッとする直前まで焼き、仕上がった食パンに噛りついた。
階段を下りる足音が聞こえ、リビングに近付いてきた。
「ふぁ~おはよう、芽愛」
リビングに姿を現した灯莉はまだ寝たりないように盛大な欠伸をして、挨拶をした。
私が貸したルームウェアは彼女の身体には合わず、キツそうだ。
彼女のような身体がつくづく羨ましいと感じる。
「おはよう、灯莉。どんな夢をみてたの?」
「えっ?分かんない......寝言、言ってた?私」
「うん。芽愛ぃぃ、芽愛ぃぃって」
「ああぁぁ......ごめん、芽愛。寝られなかったよね、ほんとごめんっ!」
「いや、謝ってほしいんじゃなくて。嬉しい......っていうのか、こんなに私のことを想ってくれてるって思っただけ」
「そう、なんだ......」
照れくさそうに頭を掻く彼女。
ほんとっっ可愛いなっ、灯莉はっっ!
「......うん。今日はもう帰るの、灯莉?」
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