旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

第273話確認事項

真田幸隆「（何か良からぬことを考えているなこいつ……）殿！」

私（村上義清）「どうした？」

真田幸隆「もし殿のもとに岩村城からの救援依頼が届きましたら出陣なさいますか？」

私（村上義清）「状況による。」

真田幸隆「その目的は岩村城の救援だけではありませぬな。」

私（村上義清）「相手次第による。」

真田幸隆「仮に既に織田方となっている遠山の一族だけが出て来た場合如何なさいますか？」

私（村上義清）「たぶんそれだけであったのなら救援依頼は来ないと思う。もしあるとするならば織田との抗争にうちを巻き込みたいと言う意思が働いていることになる。」

真田幸隆「その時殿は？」

私（村上義清）「別にうちが遠山を傘下に収めているわけでは無いのであるのだから、勝った方と交渉すれば良いだけの話。もし織田方の遠山が勝利を収めたのであれば、うちが今良好な関係を結んでいる松平を使って信長と誼を結ぼうと考えている。」

真田幸隆「では織田家中の誰かが出て来た場合如何なさいますか？」

私（村上義清）「力は示さなければならないと考えている。岩村城が落ちたら次狙われることになるのは、美濃とも言えるし信濃とも言える木曾になることが目に見ているのだから。」

真田幸隆「岩村城を守るための後詰めを出し、織田方の武将を追い払えば良い？」

私（村上義清）「それが目標であり、達成しなければならない成果である。」

真田幸隆「今は織田方となっているほかの遠山の勢力には手を付けない？」

私（村上義清）「自分の権益外の美濃で消耗戦になることは避けなければならない。」

真田幸隆「力を示した上で信長との関係を模索することになる？」

私（村上義清）「そうなる。」

真田幸隆「その時は遠山領が両属になることも念頭に置いて？」

私（村上義清）「本意では無いがな。」

真田幸隆「（意外に落ち着いているぞ……。）では殿。」

私（村上義清）「何だ？」

真田幸隆「織田信長自らが岩村城攻略のために出陣して来たら如何なさいますか？」

　尾張から美濃へ向かう兵の姿有り。どうやら東美濃の岩村城を目指している様子。この動きを察知した岩村遠山氏当主遠山景任は木曾義康を通じ村上義清に救援を依頼。

私（村上義清）「岩村に向かっているのは（織田方の）遠山のものか！？」

伝令「いえ。違います。」

私（村上義清）「織田の兵か！？」

伝令「はい。その通りであります。」

私（村上義清）「総大将は誰である！？」

伝令「はい。織田信長であります。」

私（村上義清）「わかった。すぐ救援の兵を出すと伝えよ！！」

伝令「はっ！！」