第百六話 大魔法使い ユータの世界で出会う。
最近、ユータの魔力がそれほど溢れ出さなくなっていた。ダンマスはいぶかしんだが、理由はわからなかった。
ダンマスは日本にいったりきたりして楽しんでいたが、ユータに変化が起きてからほどなく日本で、懐かしい臭いを嗅ぎ取った。で、その臭いを思い出した。
「ははぁ、、なるほど、、それでユータの魔力が、、、」
ダンマスは、気が向いた時は、その臭いを追ってみていた。
ーーー
「いやーこっちは変わったねぇ!あまりの変わりように毎日面白くてさあ!」大魔法使い
「まぁ、、そうだろうけど、、何かい?向こうには帰らないのかい?」ダンマス
「うーん、、こっちに居るのは問題ないんだよ、こっちの世界にはマソがないから。」
「ああ、そういうことか、、たしかにね、、何が起こるかわからんものなぁ、、」
「うん、もう懲りたわ、あっはっはっはっは!!」
「私達も、あれは運命だと受け入れて覚悟していたんだよねぇ、、でもいきなりさ」
「うん、こっちへの通路が救ってくれた。」
あ!
「そーか、、だから似たような、ユータのどこにでも行ける扉が、ユータの魔力を結構使うのかな?」
なにそれ?と、大魔法使い。
ダンマスは説明した。
「はー、なるほどなぁ、、誰でも行けるか、、んじゃ、ありあまったら地下水路じゃなく、でっかい城門にしちゃえばいいんだ、毎日すっげー魔力使うだろw。ただ、異世界間は特にトンネルのある向こうとここはやめたほうがいいね。良い影響はないと思う。」大魔法使い
つまり、ドラゴニアとゴンザールの間を転位門にしてしまえば、マソをかなり使うのでユータへの影響が少なくなるんじゃないか?と。でも、異世界間は危険そうなので、転位扉とか門を作るのは止めておいたほうがいい。ということだ。
「そうだねぇ、、いざとなったら向こうではそうするのがいいね。でも今は、あまりに楽に行き来できると、現地は発展しすぎるからね。」ダンマス
これは、ゴンザールとドラゴニアが楽に行き来できるようになると、物流が楽になりすぎ、商人達が暴走するんじゃないか?ということ。少しやりにくいくらいなほうが今はまだ良いだろう。と。
多分、ゴンザール側の荒れ地がどうにかなって畑地にでもできるようになれば、その問題は解決できるのではなかろうか?ということだ。
大魔法使いは今隠れ住んでいる街(ユータの居る街)のちいさい森の奥に家を作り、特別な者だけ訪れることができるようにしていた。もしその資質がある者がいれば、なぜかこの場所に惹かれ、いつかここを訪れるだろう。というもの。
「しかしまた面白いことを始めたねぇ」
「うん、こっちの世界も、逆の方向で危険みたいだからね、、自分でできることは少しやっておきたいかな、ってさ」
「あいかわらずだね君も」
まぁな、、折角復活させてもらったんだからな、、と大魔法使い。
そこは喫茶店にしていた。客は今の所ダンマスのみ。
森の奥の、普通の人はたどり着けないお店。
そして、ダンマスはユータ達に新生大魔法使いを会わせた。
転移でユータの部屋に呼んだ。
一応念の為に部屋に遮音バリアを張るダンマス。
彼はユータの腕輪と指輪を見て、ユータが自分の後釜だとわかった。
その後、それらを手に入れるまでと、その後を聞き、なぜか、自分がこっちの世界で復活したのは理由も原理もわからないが、そのために大量のマソを使ったので、ユータ的には安定に入った様子だと考えた。
「僕が安定するまでは、ユータから貰ってるんだろう。と、思う。まだまだわからないことだけだよ。」大魔法使い。
「こっちの、ほんとに頭の良い科学者は、科学でわかることなんかほんの少しだ。そんなすこしばっかしのことでわかった気になってはいけない。常に、己は無知なのだ、と、探求を続けるのみだ。と知っているって聞いたこと在ります。すごい人って、どっちでもそーなんですね!」とユータ。
市とタカ、道場のことを話して、ユータの話は終わった。
大魔法使い側は、再生したばかりでさほど経っていないので、まだ何も掴んでいないと。
また、何かあったら、いや、何もなくても会おうな、と言い合った。
彼(大魔法使い)はこっち(日本のある世界)で気ままにやるよ、と言い、わかれるが、別れ際
「ユータ、君はそのうちボクと同じくらいの魔法使いになるだろう。指輪や腕輪に頼らないで。
そして、その時になったら、指輪も腕輪も勝手に外れる。その時は、指輪も腕輪もなくても、君はそれまでと同じように魔法を使えるし、壁を越えることができるだろう。
君は今までどおり、魔法をバンバン使うがいい。使えば使うほど、世のためになり人のためになる。君の使い方はそういう使い方だ。私はあまり使わなかったので、私の無限の魔力がたまり過ぎて世界を崩壊させる寸前までいっちゃったけどね、あっはっは!!
そして、外れた指輪と腕輪、
ユータ、君はそれぞれに魔力を満タンに詰め、
君が、本当に強くなってもらいたい者、に渡しなさい。
でも、君はその者を助けたらいけない。
君が助けたら、その者は強くなれない。
ユータ、思い出してみな?
君は最初、たった一人であっちに行った。
そして、たった一人で仲間を見つけ、皆君を助けてくれた。
ユータ、君が優しく素直でいい子だから、皆君を助けたかったんだ。だから君を助けた。
全て、君だったから。
今、ここにこうしているのは、君だったから。
君だったから今ここで僕に会えているんだ。
君が、一人で皆に助けられながら強くなったから。
誰も助けてくれなければ、ここまで強くなれなかったろう。
いや、何処かで朽ち果てていたかも知れない。
皆が助けてくれたのも、君というにんげんの一部のおかげなんだ。
素直、優しい、それは君の一部なんだ。
そして、強さ。
君は最初から強かった。
へ?という顔になったね?
心が強くない者は、あの穴に一人で入ろうとなどしないし、一人であの穴の特性を見出して自分の部屋に持っていこうとなどしないよ?
本当に強い人間は、自分の強さを知らないんだよ。全ての「本当に強い者」は、そうだった。これからもそうだろう。
君は、、、、
そうだね、もう、そこからは、君が自分の道を作っていくべきだ、いや、自分が道を作ってきたんだと気がつこう、振り返ってみよう。君の通ってきたあとは立派な道になっているんだから。
僕はこの新しい僕で、僕の新しい道を作っていく。
また、どこかで混じり合うといいね。
元気でね!僕の最初の弟子!」
ユータは訊いた。こっちの世界の誰かを向こうに連れていきたいとしたら、何か手があるでしょうか?と。
「残念ながら、こっちの人は向こうに行けない。向うの人なら、ある程度魔力量があれば来れるけど、、」
「こっちの人に魔力が貯まれば?」
「できるけど、基本的にこっちの自然界に魔力はないので、不可能だろ?」
ユータは魔石に溜めた魔力をこっちの者に渡し、吸わせていることを説明した。
・・
「へぇ!すごい発見だねぇ!!そうだね、、どのくらいになれば行けるのか?を確かめていくしかないね。でも、もしかしたら行ったら帰ってこられなくなるかもよ?その危険性を知って、それでも、という気が本人にあってはじめて実験できるんだからね?」
「はい。ちゃんと確認します」
「うん、上手くけばイイね、親友なんだろう?」
「はい!!!」
そのうちまた会おうと約束し、大魔法使いはダンマスと帰っていった。
「ダンマス、仲良かったんだな」ドーラ
「うん、よかったね、また会えて」ユータ
「そうだな、、古い友達なんだもんな」
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