第百一話 日本での最近の日常


ユータは最近はこっちではバイトをしていない。

ヒモノでの収入がすごくあるので、それを向こうに還元するにはモノにしなければならない。

なので、良いモノを見つけることが大切になってるから。


今回はダンジョン側の貸自転車屋で使うための自転車。3輪のと、業務用を30台ずつ。それとマウンテンバイク10台。これは担当の子達と話して決まってるモノ。


この間ゴンザールの職人から大工道具を見せてもらったユータ。

木の質とかわからないのでいいかどうかわからない。けど、と、そのときに見当たらなかったカンナ、墨壺、を3つづつ。見本に買う。


厨房用具はいつ見ても面白い。業務用の手動のかき氷機は以前買っていって人気なので、追加で5つ。子どもたちが甘味所をダンジョン側の街、中間の街、北の森の街に出したいそうだ。ダンジョン側の街は人が多いので3つ使うと。

テイナ達と作った冷凍庫、冷蔵庫はあれから増産し、何箇所でも使われている。でっかいのも作ってかき氷用の氷も作れる。


ドーラはダンマスに頼んで、漫画の翻訳をしてもらった。その後ドーラは複製の魔法を応用し、漫画の文字だけ入れ替えた。吹き出し一つ一つの入れ替えだったらしく、終えたときのドーラはすごい顔していた。30数巻のを一気にやったらしい。

それからはちょぼちょぼ増やしている。


「近いうちに漫画喫茶始めるぞ!」と意気込んでる。

まぁ、喫茶店に漫画置くだけだけどね。国内で。


子どもたちに漫画を浸透させれば、そのうち書き手や話を作る者がで始めるだろう!とドーラは目論んでいるのだ。


紙は一般に流れているのはわら半紙。高くない。

日本での質の悪いコピー紙並のは、魔法を使った製造法でどうにか少しづつできるようにはなっている。だからまだ貴重品。そのほうが無駄に使わないからいいけどね。

トイレは水なので、紙を使うのは文字を書くときくらいだ。


鉛筆は家内制手工業で量産できている。

消しゴムはユータが輸入。なので少し高価。



先日いろいろな国をまわって、現地のお金がないのが惜しかった。パスポート(旅券)が無いと現地で両替できない。入国スタンプを確認される場合があるので、パスポートを持っていくだけではダメだ。

だから日本で行く先の通貨に替えて持っていくことにした。めんどくさいけど。

「向こうじゃ大体どこだって使えるもんなぁ、、、」と。

貴金属硬貨じゃないからね、こっちでは単なる紙になぜか価値がついているだけだから。


消しゴムのように、同品質を半値以下で買えるのは、そこで仕入れる。

必要な品質と価格など考え、向こうの使い方に合うものを買う。

向こうで作れそうな作り方をしているものを買うことは多い。


なるべくプラスチックス、ビニールのもの、などは買わないようにしている。ただ、見本品として買うものなら、そのプラ部分が木で作れるか?を考えてみて買う。


もちろん種や苗も買っている。向こう(ドラゴニアの世界)の草木のほうが強いので、負けてしまう場合がある。

ザク達がどうにか育てている。品種改良もしてみているようだ。


肥料などは買わない。向うで作る。ケミカルが入っているものは基本買わない。特に土の力を衰えさせるようなものはパスだ。向こうは広大。土地をしっかり休ませられる。家畜も居るし。(休耕地で放し飼いにする)


衣料や布地などは最近は買っていない。

向こうでは木綿が改良されて良くなってきた。染料もいろいろ作られている。あとは自分たちで改良していくのが楽しいらしい。


最近、ドーラはスーパーに行ってもバカ買いはしなくなった。

「うーん、、1個2個買ってこっちで食べるにはいんだけど、、向こうでももううまいのあるからなぁ、、」と。


それよりは、自家製ケーキ屋。

本気でやってるとこは、なかなかいいのがいくつかある。

「ここまでくると、向こうじゃまだまだムリだろうな」ドーラ。

うん、そう思う。これだけは仕方がないだろう。


煙草や酒。タバコは皆「いらない」と。向こうのタバコは香りが強い。なので「空気吸ってるようだな」とこっち(日本)のはダメらしい。


お酒はウイスキー系がウケている。向こうでもないわけじゃないんだけど、「なんか入っているモノが違うんだろうな」と酒好きな人たち。

無駄に添加していない、ということなんだろう。

でもなぜか、底なしの者達にはいまいち人気ないけど。


徐々に買っていくモノが減っている。

でも、ヒモノの売上が伸びている。

更に増やして欲しいと言われているのだユータは。


「全部漫画に使っちゃえよ!」

とドーラがそそのかすけど、、まだムリだよね。

日本のお金は銀行とかいれといても危ないんで、ストレージにしまっている。


「金貨とかかんたんに売れれば最初から楽だったんだよなー」とドーラ。

金の質がなんか違ったらまずいし、あまりしたくないね。


週末になったので、ユータとドーラは市とタカに、今晩一度向こうに戻る。明日朝には戻っているからと伝え、ドラゴニア側に戻った。


ーー


持ってきたものを担当に渡し、配り終えたのは夜遅く。

夜のお茶の時に出てきて、すぐ戻ったけど、毎回物資を渡すのには手間取る。

説明が要るものがあるから特に。


その後温泉に入り、また少し食事して寝た。



翌朝、美味しそうな匂いで起きたユータ。

ああ、こっちの食事も、ここまで美味しい匂いになってるんだなぁ、、と今更。


食堂に入ると、早い子達はもう食べ終えて出ていくところだ。楽しげに話しながら出ていく。


ドーラが座っていた。

ユータはお盆を持ってその向かいに座る。


「今日の飯も美味いぞ!」ドーラ

「うん、上(二階)にもいい匂いがしてた。」


「今日はどうする?」ドーラ

「南は、どう?まだあまり見てないし」

「だな、危険なものとかいるかもしれないしな。」


「食材も狩ってこようぜ!」

「海のも狩るっていうのかな?」

「あー、、どうだろ?わっかんねぇ!」

あっはっはっはっは!!×2

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