第七十六話 国防作業と日常
結局、ドーラとユータが出向いて、ゴンザール北部国境にでっかい谷を作った。堀ではなく谷。国境北側で山以上にでかくなったドーラが、指の爪の先でカリカリ、、と掘って作った。
ドーラは「細かくてよく見えねぇ、」とか文句言ってたが、でもあの大きさ考えると仕方がないかもしれない。指一本ひと押しで余裕で王都を潰せる大きさなのだから。
終わってから、
「もっと小さくってよかっねぇ、、」ユータ
「うん、も少し大きさ考えてでかくしてな、頼むよ、、」ドーラ
ちなみに深さは見えないくらいだった。
「見えない?」ドーラ
「うん、奥まで陽の光が届いていないみたいなんだよねー」
・・・・・
勿論その谷には橋など掛けない。
海側の端はドーラが爪の先でちょいっと運んだでっかい岩を乗せてある。高さが5階建てビルくらいあるので、越えられないだろう。
陸地側の端は魔物の森まで。
結局森を越えなければこっちにこれないわけ。
そんで、その帰りに、荒れ地の最後らへんで、荒れ地の北側の魔物の森に、一直線に北側に道を通した。ドーラのブレスで軽く。小さめドーラにしておいたので、高めの山くらいしか無く、一度の軽いブレスで数百メートル幅にしかならなかったが、まぁ抜け道程度だからいんじゃね?byドーラ、と。で、その森の向こう側に、今度は指でぐりぐりりっと溝を掘った。幅は5−60mほどで底が見える程度、、かなり深いけどw。そんでその堀の手前の森は少し広めに踏みつけておいた。こちら側に検問所を作るから。
向こう側に立て札。
この森はドラゴニア管理下になった。異議あるものは申し立てよ。所有の根拠が認められば、話し合いに応じる。
この立て札を改ざん、攻撃、悪意で触れた者の国は、ドラゴニアの敵とみなす。と書いてある。
で、この場所を地図に書き込んだ。あとでゴンザールの王様に渡して、検問所を作ってもらう。検問所ができたら、ドラゴニア側が協力して吊橋を作る。吊橋の所有はドラゴニアとする。
敵対する者の進入禁止にすれば名目は立つ。
その日夕方には王様の離宮に戻れた。
で、以前あげた地図に森の道の場所を書き込んでもらい、検問所建設を頼んだ。
「あ、あの検問所作る場所の片付け忘れてたね。」ユータ
「大丈夫だろ、ゴンザールは兵も職人も多いから、あの木材使って検問所や兵の詰め所や防壁作るだろ。
道はブレスで焼いたから片付けなくっていいし、魔獣も出にくくなっているはずだし。」
なるほど。
一ヶ月後。ユータとドーラは中間の街に来ていた、船を使って。2人は結構船旅を気に入った様子だ。
ちなみに荒れ地の北の森、検問所も吊橋ももう作り終わってて、ゴンザールの兵も詰めている。向こう側から少しづつ冒険者がきはじめているそうだ。
検問所にはダンマスがモモンガを派遣してくれた。
「良くないやつは飛ばす」事ができるモモンガ。船長の一族らしい。
中間の街は来る度に何かできている。
ギルドに寄ると、掲示がしてあった。
荒れ地の北側の森開拓中。近日中に宿とギルド出張所ができる。とのこと。
船の停車場?が、荒れ地の外れにできると書いてある。
そこが街になるんだろう。
北側の魔物の森はこの中間の街付近までは届いていない。北側の森のこっち側の端は小さな山岳地帯になってしまっているから。
ダンマスも、冒険者が増えればダンジョン作れるので、なんか手伝ってるんだろ、とドーラ。
作りたがっているもんねぇ、、冒険者向けのダンジョン。
「あれ?もしあそこにダンジョン作るなら、また僕らが魔力注ぎに行くの?」
「いやダンマスがやるでしょ。ダンマスのダンジョンだから。超高級ダンジョンは、俺らが主になるように俺らにやらせてくれたんじゃないかな?」ドーラ
はぁ、、いつの間にかあれは貰っていたのか、、
「ま、実際のコントロールなんか俺らにはできないけどね。だからダンマス任せだけど」
そりゃそうだね。
ユータとドーラは初回以降は、この中間の街の森に入る時は、ずっと南に行く。冒険者が到底来ないな、という場所で、お肉を狩りまくる。ドラゴニア国内側だけでも人口は増え続けている。いくら狩り部隊ができたといっても、まだ少数。今の所肉の大半はまだドーラとユータが手に入れてきている。
その間もたまに日本側に帰っているが、特に変わったことはない。向こうに一週間いるのは良いかも知れない。結構体がのんびりできるみたいだった。
最近はオリーブの苗を持ってきた。何種類もあるので、できるだけ多く持ってきてみた。
いつかドラゴニアがオリーブオイルの生産地になれればいいな、とユータは思った。
オリーブオイルとバターは、美味しいものはそのまま舐めてもおいしいのだ。
そんなことやっているからいつまでもぽっちゃりなのかも知れない。
「あれだな、、最近、国内じゃ結構どこでも皆魔法使ってるよな」ドーラ
「うん、よく見るねー。どんどんうまくなっていくんじゃないかな」
「だなぁ、、特に火を着けるときと水を出すのは使えるからなぁ、、簡単だけど魔力食うけど。」
何もないところからなんか出すのはその結果の割に魔力を使う。
人力か魔法か、どっちでもいい時は魔法を使うほうが良い、ちょっとした訓練みたいなもの。でも干物干すのは人力がいいし、種撒くのも人力がいい。特に種まきは種に魔法の影響が出てしまうこともあるようなので。
荷運びはストレージ使ってもいいし、荷車で強化した自分で引くのもいいし、ロバに牽かせるのでもいい。
その者が考え、すればいい。あれしなさい、これしなさい、は、基本、無い。
だから、
なんか子どもたちがどんどん自立していっている感じがする。
年齢はまだ12−3歳が上の子だけど、10歳満たない子たちのグループも、独自に活動できている。何かあったばあい周囲に頼ったりしているだけで。
「いいんだけど、、以前に比べたら、なんか寂しい気がする」ユータ
「まーな、、でも、奴等、楽しそうだぜ?」ドーラ
そうだ。自立度合いが高い子のほうがより楽しそうなんだ。そしてより面倒見も良くなっていく。
夜中の花火も最近は聞かない。「他のことで魔力を使い切るようにしている」そうだ。そのやり方は人ぞれぞれで、「できるだけ自分の仕事で、、」だという。
大人になってきてるんだよなー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます