第四十三話 川発見! だがしかし、、、
その後、市さんは何事もなく、というか、徐々にユータの普通の速度についていけるようになってきていた。
ドーラは、魔石の影響が良い方に出ているようだ。と言った。
「魔力、付いてきたのかなぁ?」ユータ
「うーん、、だとしてもまだ微量過ぎて、俺にはわからなんなー」ドーラ
そんなですか、、
なので、
タカにも同じ位の大きさの魔石、持ってみる?と聞いた。勿論ドーラに相談してから。
タカは持ってみたい、と言ったので、渡した。勿論、危険性を伝えた。
何か感じたら、石を身から離して、人が触らない場所に置いといて、ボクが取りに行くから、と念を押しておいた。
ユータとドーラが向こうに帰り、ヒモノを持ってきた時は、市さんとタカに少しだけだけど分けた。毎日だと飽きるだろーし。
「あっちの食べ物も、もしかしたら、いいんじゃないか?」
とドーラが言ったから。
「まぁ、俺様並にならんと厳しいかもしれんけどなぁ、、今んとこ、、」ドーラ
向こうの人も来られないくらいだからなぁ、、。ユータもわかっていた。
でも、可能性はゼロではない、ともおもっている。
放課後、ユータとドーラが動く時はタカも付いてくる事が多くなった。
なので、市さんのところにも顔を出す。
「タカ、お前も魔石持つ仲間になったんだ。どーせなら、ここで鍛えてみないか?」
と市さんに誘われ、
「ど初心者向けになら、、」
ということで、超やさしくして貰って始めることになった。
毎日ユータ達が市さんの様子を見に来て、タカはそのまま稽古をしていく。
ユータとドーラは、その日の用事があったら用事、買い物とか、街に向こうで作りたいものを見に行く調べモノとか、をした。それがない場合、帰って調べものとかしていた。
少しでも、向こうに役に立つものを、一つでも多く見つけたい、と思っているのだ。
自分たちの国を作った。
それが、無意識のうちに、大きな、仲間全体に対する責任感というものを彼らの中に作り始めていた。
向こうでは、王様を誰にする?とかいうことは後回しにしていた。
ユータはドーラになってほしかった。
ドーラはユータにしたかった。
でも、ドラゴニア、という国名をドーラが言った時にした説明がかなり説得力あったので、皆=国民は、ドーラになってほしいと思っている。寿命も長いだろうし。
ある日、畑仕事を手伝いながらユータがドーラに聞いた。
「ドーラ、そういえば、ダンジョンの8階層の主って、どーなったんだろう?」
「あ?、、、、多分、もう新しい奴が就任して働いてるんじゃないかなあ」
そんなんなんだ、、、
「ダンジョンの主が、階層主がいないのを放置しておかないよ。しかも、外に出ていったか死んだかすりゃ、気配はないんだから、誰かしら何らかしらを後釜に入れないと守れない。だろう?」
「まー、そーだねぇ」
話し方はのんびりだけど、内容は結構凄いことだよな、とか思いながら、畑班の者たちはその会話を聞いていた。
またある日、
「ドーラ、、この近くに海ってあるのかなぁ?」
と、ユータがドーラに訊く。
海を見たことがないドーラ。見てみたいと思った。そう思うと、どんどん見てみたい気持ちが強くなってくる。
「探しに行くか!」
「うん!」
行きは飛んで、夕方には転移で帰ってくる。
そして、ついでに地図を作る。
そう決めて、ガンダさんに了承を貰った。
「まぁ、うちの最強の2人だから、何もないと思うけど、世の中広いからな?お前たちでもかなわないなんかがいるかもしれない。気をつけろよ?なんかあったら速攻で逃げてこいよ?」
と念をおされて。
とりあえず、と、2人は王邸の裏手にある山の頂上に飛んだ。
誰も気にしなかったが、2000m級の山だった。
場所がもっと北で、湿った空気が来るような場所であったなら、冬には冠雪していたろう。
なので結構寒い。が、遠くまで見通せる。ドーラは目がいい。
うーん、、、見えないなぁ、、、
ドーラでもみえいないかぁ、、
「つーか、街も無いよな?あの国から南って、全部誰もいないんじゃねーの?」ドーラ
「獣人とかは?」
「獣人だって街つく、、、、んーー、森の中に住むのも多いと思う、、、」
「んじゃ、低めに飛んでいく?」
「そうしてみよか?特に近場はな!」
だねー。
荒れ地みたいなのも見えなかったので、南は良い土地だと思う。
けど、まだ人が入っていない。
人が入ったら、どんどん刈られていっちゃうのだろうか。
うちも刈ったけど、、そのうちあの街も大きくなっちゃうのかな
などと考えながらどんどん南に飛んでいく。
かなりの速度だが、ユータはバリア張っている。
ドーラは小さくてもドラゴンだから問題ない。
大きな川があった。北西の方から、南東の方に流れている。
・・・
「予定変更しようか?」ドーラ
「うん、どっち?上?下?」ユータ
「最初は上に行ってみよう、うちの方角になるからな」
どんどん川の上空を遡って飛んでいく。勿論街や村があったら見えるくらいの高さで。
うちの裏山と連なる山脈。その裾野まで来た。川はかなり細くなっている。が、それでも日本のでかい川以上はあるかも。
「なかったなー、」ドーラ
町や村など、人が住んでる形跡のこと。
「うん、これはこれで安心かな?」
「たしかにそーだな、というか、ウチの国をこの川まで伸ばせばいんじゃね?」
「いいね!川があると!」
「んじゃ、ウチの国までどのくらいか見ながら山沿いに飛んでいこう!」
「うん!」
・・・・・・・・
「5倍?10倍?」ドーラ。
「まぁ、、でも、、山裾に沿って伸ばす、とか?」ユータ
かなりの距離があったのだ。
「帰ってソーダンしよーぜ」
「だねー」
うちの街が見えた所で、だいたい見当がついたので、そこから邸まで転移で帰った。
内容をガンダさんに報告。
夕食時には満月銀月のメンバー皆に新領地の邸のほうに集まってもらって、相談しようということになった。
今は孤児院には院長さんとジオさん、
別館にはマキと子どもたち、
本館にはニヤとテイナが行ったり来たりしている。
ザクさんは、一応新領地の開拓中なのでほぼこっちだけど、一日一回は本館の畑の方に顔を出している。
魚の養殖は一応ほとんどこっちに引っ越せた。
向こうと違って、街の森側の方だけ幅広の堀を作った。堀の外側に本館の柵と同じような柵を幅広めに二重に作り、猛獣に備えている。
堀にも水を流さなければならないので、畑の周囲に井戸を結構掘った。
だから、川が手に入り、川からこっちまで水路を引けると助かる。
でも、、100キロとか?
あ、でっかくなったドーラが、その指先でぐりぐりって掘ってってくれれば、、、いんじゃないかな?
下から見ると顔が見えないほどでかいんだから。
で、夕飯終わってから始まった会議で、ボクは言ってみた。
ドーラは「え”ーーー」と悲鳴を上げた。
「んじゃ、ドーラ、その距離を魔法でやるとしたら、どんだけかかる?」ガンダさん
「うー、、、、、めんどくさいほど、だなー、、、んなことするくらいなら、この間くらいでっかくなった俺が、それこそユータの言うとおり指先でほじくってったほうがマシかなー」ドーラ
なので
1)まずこの街から川までの土地の確保。
2)川の側に小さな街を作る。
3)で、ドーラがほじくる。
気長にやってください。
ということになった。
「なんであの時、俺らは川を先に見つけなかったんだろう?」ドーラ
「そうだねぇ、、気が付かなかったよね」
・・・・・
先に川を見つけていたら、その付近に街を作ったのだ。
翌日朝から
「めんどくせー!一気にブレスで確保するぞ!!」
と張り切る?ヤケクソ?なドーラを、魔力をほとんど使って山並にでかくする。
顔は雲の中?
勿論新しい街からかなり川に向かったところでやった。
で、ドーラはばっさばっさと飛び立って、南側にブレスを吐きながら西の方に飛んでいった。
あの山のようなのがちっさくなって、、、、、下に降りて、なんか足踏みを結構してから、飛びあがって引き返してきた。
(ストーーっぷ!!ぼくここ!!!)
(おう!ごめん!)
浮いたままのドーラの足から魔力をドレインした。
今回はちょうどいい大きさで止めた。
なんか、街の南側のブレス跡のてっぺんからずっと川の方までブレスを吐いて燃やしたそうだ。
山のような大きさが点になるくらいなんだから、やっぱり100キロ以上あるのかなぁ、、
「ユータ、ゴーレムとか、作れない?」ドーラ
「やったこと無いし、、」
やってみよかな?
「んん、、いでよゴーレム!!」
・・・・・・・
「土集まって、ゴーレムになれっつ!!」
・・・・・・・
なんだろ、全く手応えってのがないよね?
「なんかコツがあるんだろうなぁ、、」ユータ
「ああ、ありがとな、、まーいーや、また、明日か明後日、でっかくしてくれや、、ほじほじしてくっから、、、」
ドーラ、疲れた顔。
「凄く疲れた顔しているけど、だいじょぶ?」
「そりゃー、いくら山ほどのデカさになっても、あの距離ブレス吐きまくりは、、疲れるわ、、、初めて実感、、」
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