第二十三話 魚かかりの子供達 と ケーキができた!


翌日

朝起きて食堂に行くと、

「今日はケーキ作って見るから、味見してよね?」「にゃっ!!」

とテイナとニヤに念を押されてしまった。

昨日は朝食後にそのまま獲物を狩りにいっちゃったからね。


なので、今日は干物の具合をみてみるかなー

とドーラと見に行った。



「・・・やっぱまだ表面だけだね、、」

・・・・ぱくっ!!

ドーラが一つ咥えて

もぐもぐもぐもぐ、、、・・・

「うまいよ?」


・・・・えっとー、、

「ドーラ、、よく干さないと寄生虫とかがいるって聞いたことあるし」ボク

「大丈夫ドラゴンだから!」

・・・・・・えっとー、、、

「でもうまかったぜ?おまえんちにひけとらないくらい?」ドーラ、太鼓判を押す!

そうなの?


「それじゃー、焼いてみようか?なかまでよく火を通せばいいし、、」ボク

「おう!何事もやってみなきゃな!!」ドーラ



食堂を外から覗く2人

・・・・・

「無理だよ今は。」ボク

「なんでだよ、窯あまってんじゃん」ドーラ

「いや、臭いでるから。魚臭いケーキとか食いたい?」

「・・・ちょっといやかな?・・いや、でも食べてみたらうまかったりしてな?」

「ないな!!」ボク



なので、

10分少々歩いてダンジョン側にある宿(別館)の横の食堂にやってきました。


「わるいけど、、窯空いていたら貸してくれるかな?」

と、食堂の子に訊く。


朝ゴハンの最後のほうが終わった頃あいなので、窯は空いていた。

網がない、、、

なので、、

肉に使う鉄串を刺して焼く。

焦げやすいので薪は少し目にして、時間かけて焼く。


とりあえず2枚焼けたので、食堂の子達とドーラと5人で食べてみた。


「おう!焼いたほうがうまいわ、焼いた香りがいいな!」ドーラ

「ごはん何杯もいけそう!」と子どもたち

ぼくたちは、最近はお米を炊いてご飯の食事も作っている。


稲作もできたらなぁ、、向こうから美味しいコメの籾持ってきて美味しいコメ作れないかなー。


こっちの米はよく炊かないと芯が残りやすい。倍くらいの時間かけてゆっくり炊いて、結構蒸す。

そうすると美味しく炊き上がる。大きめで長めで、強い。強めに研いでも米粒が欠けたりしない。

なんとなく、ユータは向こうの米をこっちの土地で栽培すれば、かなり良いものに成るのではないか?と感じていた。


ーー


本館の食堂に戻ったら、ちょうど「今ケーキを焼いているとこだから」とティナとニヤ。

なので、さっき戻ってくるときに干物場に寄って一日だけ干したヒモノをまた2枚持ってたので、それをニヤに渡す。

「これ、一日だけ干したヒモノ。そのまま食べるのはだめだけど、よく火を通して焼いたらすごく美味しかった。試してみて」ボク

ふんふん!と臭いを嗅いでいたニヤ。

「うん、うまそうにゃ!いけるにゃ!ケーキのあとでやってみるにゃ」

流石猫、魚好き!


少なくとも子どもたちは好きだろうとわかったので、また魚係の子達のところに行った。

多めにもらって行って干物にしようと思って多めに頂戴って頼んだら、


「昨日と同じようにすればいいんでしょ?僕らにやらせて!僕らの仕事にしてほしい」

とリーダーの子が言ってきた。


あとからガンダさんに言っておけばいいか、

「それじゃお願いするね。あと、内蔵とか頭とかいらなくった部分は畑の肥料にできるから、まとめて食堂の方にもってきてね。

それと、さばく場所を作りたい。どこらへんがいいかな?」

子どもたちはあーでもないこーでもないと議論し、水路の宿に近い方に決まった。


ボクは魔法で壁が土でできた小屋を立てた。

森の木を3本切って、板にして、屋根と作業台を作った。

そして小屋の外に井戸を掘って、大きな土管のような枠を作り、釣瓶を釣った。

木の端の方でできた小さめの板をいくつか使って、木箱をできるだけ作った。


「井戸水は汚さいないようにね。作業の前にはキレイに手を洗ってね。じゃないと魚が腐るから。

あと、作業後もよく手を洗ってね。じゃないと病気になりやすく成るから。

作業台と木箱など、魚を入れたり、皆が手を触れるモノはきれいにしておいてね。」

ボクの言いつけを「はい!」と皆元気よく承知してくれた。


ボクとドーラは干場に行って、ヒモノを干すのに良いような台をいくつか作った。


戻って食堂の外の井戸で手を洗っていると、


「あ、こんなトコに居た!できたのよ!早く食べてみて!」

「はにゃく食うにゃ!!」


ケーキができたらしい!

「おう、くおうぜ!!」

ドーラ、目が輝いているよ!!



小麦粉は何度も何度も挽き直し、細かくしたもの。

ドライイーストの分量はちゃんとおしえたし、使い方も教えた。

クリームだって、生乳を牛を飼っている農家から買ってきていたし、ちゃんと分離方法教えたし、、

うん、問題ないはず!

食堂に歩きながら、ボクはちゃんとおしえたか?全部やったか?と少し不安になって自分で確認した。

多分、大丈夫!、、たぶん、、、



食堂の席に座ると、テイナがケーキが載った大きめの皿、ニヤが紅茶のポットを持ってきた。

ホールケーキだ!


「味見だから、果物とか載ってなくってごめんね、でもこれの味のみを見てほしいから」

「うん勿論!」


テイナがボクとドーラに取り分けてくれる。

ごくり、、


「いただきます、、」

「いっただっきまーっす!!」ぱくりんこ!

ドーラは一口二口で食べきってしまった!あじみっつ!!!


ボクはフォークで一切れ一切れ味見をしながら、、


「おいいしいよね?」とドーラに意見を訊くボク

「ああ、うまかったぞ?」ドーラ


「ち、違いは?」テイナが不安そうに訊く。向こうの世界のケーキとの違いを言っているんだよね?

あまり違いはわからなかった、、


「ドーラ、なんか違いあった?」やっぱ自信ないんで訊いちゃうボク

「うーん、、、クリームの甘さが少し足りないくらいかなぁ、、、あと、ケーキの部分(スポンジのことを言っている)が、少し硬いかな?」


「あー、日本のは柔らかめだと聞いたことあるので、あっちでも外国だったらこのくらいかもしれない。クリームの甘さは、店によって違うんで、大人の客が多い店ならこのくらいじゃないかなぁ」

「んじゃ今度そこのケーキ食わせろ!」ドーラ

「・・・給料入ったらね、、、」

「よしっつ!!」ドーラ


「それじゃ、概ねいいんじゃないか?」ドーラ

「うん、ボクもそう思う。スポンジ、このふわふわの部分をスポンジって言うんだけど、このスポンジが硬めの方がボクは好き。食べている感じがするし、味付けもしやすいと思うし。」

「ああそうかもな、食った気がするわ。あとは果物を乗っけたり、ってやつだな!あれでまた結構味が違ってくるからな!」ドーラ


テイナとニヤは嬉しそうに、2人でがっちり手を握りあった!

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