11 セラ、意に添わぬ相手に体を許す5《聖女たちSIDE》

 さっそくバラッドが占星術でロメロの居場所を占うことになった。


 水晶玉を取り出し、何度も玉の表面をさすりながら熱心に見つめるバラッド。

 さすがに占いのときは集中しているのか、真剣な表情だった。

 やがて――、


「よし、分かったぞ。そのロメロって男の居場所が」


 バラッドがニヤリと笑った。


「……だましてるんじゃないでしょうね?」


 セラが眉を寄せる。


「そう思うんなら調べてみろよ。聖女のスキルに嘘を見抜く系統のものはないのか?」

「あるわ」


 セラはスキルを発動した。


【真実の判定】。

 対象の言葉の真偽を見抜くスキルである。


「……嘘は言っていないみたいね」


 セラはため息をついた。


 これで……彼女はバラッドと一晩を共にしなければならなくなった。


「本当にいいの、セラ? シーリスはともかく」

「セラさん……シーリスさんはいつものことですけど、あなたは……」


 マリンもエルザも心配そうな顔だ。


「……二人とも何気に少しひどい」


 シーリスが口を尖らせた。


「私は大丈夫。心配しないで」


 セラが微笑んでみせた。


「だ、だって、あなた初めてなんじゃ――」

「平気よ、これくらい。えっと、野良犬にかまれたものだと思うことにするわ」

(本当は初めてじゃないけど)


 内心でつぶやきつつ、セラは適当に誤魔化したのだった。




 セラはシーリスとともに、バラッドの寝室へ移動した。


「へへへ、まさか聖女様や賢者様と一晩愛し合えるなんてなぁ」


 バラッドは上機嫌だ。


「愛し合う? 勘違いしないで」


 セラが男をにらんだ。


「あなたみたいなゲスに心まで許すわけがないでしょう」

「俺に抱かれるまで、女はみんなそう言うんだ」


 言いながら、彼の手がセラの胸元を張った。

 弾力のある乳房を服の上から揉みしだかれる。


「……くっ」


 セラはわずかに顔を紅潮させ、男をにらんだ。

 不愉快極まりなかった。


「私は言わないわ」

「シーリスも」


 横からシーリスが言った。


 すでに全裸だ。

 スレンダーな体つきはほっそりしていて、芸術品のような美しさがあった。

 小ぶりな胸も形よく、ツンと上を向いている。


「綺麗……」


 セラは思わず見とれてしまった。


「おお、こっちは素直じゃねーか」

「別に。無駄な時間を省きたいだけ」


 シーリスは恥じらいをまったく見せず、平然と裸体をさらしていた。

 その度胸に感心してしまう。


「シーリスたちはあなたの情報が欲しい。あなたはシーリスやセラとの性行為を対価に望んでいる。なら、さっさと行為を済ませましょう」

「思いっきりのいい女じゃねぇか、気に入ったぜ!」


 バラッドはシーリスを抱きしめると、花のような唇を奪った。


 彼女はさっきと同じく抵抗しない。

 嫌な顔一つせず、それどころか積極的に舌を絡めているようだ。


「へへ、両手に花ってやつだ。救世の乙女二人を同時に抱ける男なんて、世界中を探しても俺一人だろうなぁ」


 バラッドは悦に入っている様子だった。


「そのうち、残りの二人ともヤリてーな、へへへ」

(ゲスな男)


 セラは嫌悪感を抑えきれなかった。


 だが、シーリスはそんなゲスを相手に、積極的にキスをしている。

 完全に割り切っているのだろう。


「――そうね、私も」


 今は、彼女を見習うとしよう。


 目的を果たすために、女の武器は積極的に使う――。

 嫌悪感を無理やりねじ伏せ、セラは服を脱ぎ始めた。

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