4 スミレの主

「ロメロ、どうするの?」

「【消え去れ】」


 問答無用で消滅攻撃。

 消し飛んだオロチが最後に爆発を残す。


 消滅してもなお爆発する……っていうのも、とんでもない化け物だな。

 だけど、


 どー……んっ……!


 爆発は封印内部で収まり、外界に影響を及ぼすことはなかった。


「こんなあっさり……」

「コノハは封印で精いっぱいだったけど、俺は封印しても余力があったからな」


 俺はニッと笑った。


「やっぱり……最強」


 スミレが俺を見つめる。


「あたしの……主」

「えっ?」

「決めた。あたしは忍びとして、ロメロに仕える」

「つ、仕えるって……」


「あなたに『服従』させてほしい」

 言って、彼女は俺の前に跪いた。

「えっ」

「噂で聞いたことがある。『超越者』は七つの最上級ジョブを従える力がある、と。今日のクエストで実感した。あたしはあなたに仕えたい。忍びには、仕える主君が必要」

「うーん……『服従』には儀式が必要なんだ」


 俺はその内容をスミレに伝える。


「く、唇にキス……」

「だから、スミレの気持ちだけもらっておくよ。やっぱり俺みたいなオッサンにそんなことしたくないだろ?」

「する」

「へっ?」

「あたしのファーストキスを捧げる。捧げたい」


 ぐいっと身を乗り出して迫るスミレ。

 俺は思わず後ずさった。


 さすがに罪悪感を禁じ得ない。

 っていうか、俺とスミレが唇同士でキスするなんて、さすがに犯罪じゃないか……?


「いやいやいや」

「えいっ」

「むぐっ!?」


 不意打ちだった。

 いきなり伸びあがったスミレに、唇を奪われてしまった。


 ふ、不覚――。


 なんか最近、不意打ちキスばかり受けている気がするな……。


「こ、これで『服従』の儀式は完了……?」


 クールなスミレが照れたような顔をしている。

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