6 世界の最果て

「スミレ、この地形を知ってるか?」

「……『世界の最果て』」

「えっ」

「里の伝承で聞いたことがある。はるか北方に存在する三日月型の島」


 スミレが言った。


「なんで紋章がこの地図の形に変わったのかは分かるか? その伝承とかで……」

「そっちは不明。ただ……『超越者』に何か関係があるんだと思う」

「『世界の最果て』か……」


 ちょっと興味が出てきた。


「行ってみるか」

「行けるの?」

「念を込めれば、たぶん」


 スミレの問いに答える俺。


 頭の中にこの地図を思い浮かべながら、告げる。


「『世界の最果て』に運んでくれ」


 ……何も起きなかった。


「あれ……?」


 以前に行ったことがない場所まで跳ぼうとしてできなかったことがあったけど――。

 それと同じ原理だろうか。


 たとえ地図があっても、それだけじゃまだイメージの鮮明化が足りない、ってことか……?


「見つけたぞ、魔王様の仇!」


 突然、声が響いた。

 前方の空間が大きく揺らめく。


「あれは――」


 そこから無数の魔族が出現した。


「もしかして……魔王軍の残党か?」

「新・魔王軍、全軍をもって貴様を討つ!」


 先頭の魔族――たぶん首領格だろう――が叫んだ。


 総勢おそらく千体はくだらないだろう。

 さすがに壮観だ。


 こいつらがみんな、俺一人を倒すためにやって来たっていうのか。


「全軍ってことは――お前たちを倒せば、今度こそ世界は平和になるんだな?」

「倒せると思っているのか? 我ら総勢1031体の魔族を!」


 首領魔族が叫ぶ。


「倒すのは簡単だ」


 俺は一歩進んだ。


【消え去れ】や【砕け散れ】あたりでどんな魔族でも倒せるだろう。


 問題があるとすれば、それは攻撃効果範囲だった。

 これほどの数を相手に、思念攻撃を発動させたことはない。


 ちょうどいい機会だ。

 奴らを相手にスキルテストしてみるか。


 もちろん、世界も平和にしてみせる――。

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