7 ロメロ、S級が苦戦する敵にも無双する1

「魔王ディルダインの残党、か」


 つぶやく俺。


「魔王様や四天王の方々は全員殺された。だが、魔王軍には他にも実力者が残っているのだ!」

「我らの力を結集し、魔王様のなし得なかったことを必ず!」

「そう、世界を我らの手に!」


 新・魔王軍とやらは盛り上がっていた。


「要は魔王軍の残党ってわけ? ふん――」


 前に進み出たのは、長身の美人魔法使いだ。

 会議前に自己紹介したところによると、魔術師の上級ジョブ――『大魔導師』のターニャという名前らしい。


 ターニャが右手を突き出した。


「【ハイウィンドブラスト】!」


 風系魔法の最上級呪文である。

 さすがは『大魔導師』、このクラスの呪文を無詠唱発動とは。


「ちいっ」


 魔族たちは壁の穴から上空に逃れる。


「逃がすか!」


 数名のS級が追撃の魔法を放った。

 が、魔族もさるもの、魔力によるシールドを張って、これを防ぐ。


「中々やるな、魔王軍ども! だったら直接ぶった斬るぜ!」


 ジャンプしてそれを追っていったのは、小柄な少年剣士――剣士系の上級ジョブ『剛剣士』のリカード。


「【竜巻斬り】!」


 豪快な一撃が魔族を襲う。


「無駄だ!」


 が、その魔族は爪を剣のように伸ばして、リカードの一撃を弾き返した。


「こいつ……っ!」

「S級相手に魔法でも剣でも引けを取らんか……やるのう」

「おそらくは魔王軍の上位戦力。四天王に次ぐくらいの――」


 見上げてつぶやいたのは、老武闘家――『武神』のゲオルソンさんと『忍者マスター』のスミレ。


 二人はそれぞれ、七種しか存在しない最上級ジョブである。

 そう、セラたちと同格のジョブ持ちなのだ。


 さすがにS級だけあって、粒ぞろいの人材である。


「次はわしがいくかのう」


 ゲオルソンさんが進み出た。


「こぉぉぉぉぉぉぉぉっ……」


 独特の呼吸。


 確かゲオルソンさんは失われた幻の古流格闘術を使うという話だが――。


「ほぉぅっ」


 大きく呼気を吐き出し、老武闘家が跳ぶ。


 ここまでの攻防では、近接戦闘も魔法戦もS級冒険者と互角以上の攻防を繰り広げている新・魔王軍。


 果たして最上級ジョブ『武神』のゲオルソンさんは、どう渡り合うのか――。

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