第45話 今日も傷つきやすい

軍隊のような厳しい父親とイギリス寮長のような厳しい母親に育てられたおかげなのかなんなのか、タフで強い。



人生が人生を辞めようかと実行に移す一歩手前で、故人の大好きな祖母や人を想ってとどまった人生だ。



誰かに何か言われても、独りで泣いて、落ち込み、腹が立ち、氷点下になり、相手の心が折れる事をたまりかねた時に、言ってきた【我ながら怖い】



その割には、少しの人の言葉を気にして傷つく。両親からは考えすぎだと言われても元来の性格なのか思考なのか分からないけれど、とりあえず傷つく。



感受性豊かな感性もこの傷つきやすい性格も、正直、20代、30代前半まではキツかった。



ある時から、逆にもうそんな性格の自分に疲れることに疲れたので傷つくことにした。



変えようにも幼稚園の時から、人生が地獄だろうがどん底だろうが変わらない。



もういいや。太陽を昇らせる事も沈ませる事も誰かの悪意や気持ちを動かす事も私には死ぬまで出来ない事だ。



年齢を重ねて、やっと一つだけ楽になってきた事もある。それまでは傷つこうが泣こうがとにかく独りで抱えた。



でも今は、傷ついた時にメソメソしながら話を聞いてくれる人が現実でもSNSでもいてくれる。



人間関係が下手くそな私なので、その人の近くに行っても切り出しかたや、逆にこじらせてしまう事もある。



それでも、耳をかたむけ励ましてくれる人がいる。




だから私は今日も安心して傷つく事ができる。



10年後の私は、どんなふうに変われているのだろうか。誰が近くにいてくれるのだろうか。



それまでは、傷つきながらメソメソして誰かに愚痴って甘えては、また立ち上がろう。


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