第322話 霧の阿蘇山
友里絵が起きた時は・・・既に7時を回っていて。
お風呂に入っている時間はなく・・・。
のーんびり、温泉で温まってきた愛紗たちa
友里絵たちを起こさないように、と。
2Fのロビーで、のんびりしてから。
マッサージ椅子にもたれたりして
雨の阿蘇山を眺めて。
「のんびりできていいなぁ」と、愛紗。
「ほんと」と、菜由。
「何してるんだろ、あたし」と、愛紗。
菜由は「・・・なんだっけ?」と。笑った。
愛紗も笑った。
それから・・・・
そーっと。206号室に戻った。
友里絵は起きていて、半分寝ている。
爆発アタマ(^^)。
窓際のスツール、籐のそれに座って。
足を組んでいて「マダーム、芋煮えーる」と。
浴衣の前がはだけて。おちちがゆらゆら。
かわいいんだけど、ちょっとエロティック。
菜由は「芋、煮えたか?」と、おちちに触って。
友里絵は「いやっ!乙女の大切なところに」と、ふざける。
由香は後ろから「大切ならしまっとけ!オトメちゃん」と、頭をなでなで。
友里絵は「あ、起きたの?おはよー」
由香は窓の外を見て「雨だな」
友里絵は「うん」
愛紗は「長い旅だと一日くらいはあるね。」
菜由「落ち着いていいね。なんとなく」
「雨って、情緒があるね」と、友里絵。
由香「情緒なんて言葉が出るとは・・・」と、ちょいおどろき。
友里絵「そんなに驚かなくてもさ」と、笑う。
ハハハと、みんな笑う。
それから・・・。
「ごはん♪ごはん♪」と、友里絵。
歯ブラシ、しゃごしゃご。
斜めに咥えて。髪を1:9に「だーいたいやねーぇ」
顔真似。
菜由は「なんだっけそれ?竹本孝之?」と、笑顔。
友里絵「ノンノン」
由香「ノンノンはムーミン」
友里絵「ユーミンは布団屋さん」
愛紗「あれ?そうだっけ」
菜由「ノンノンも、ほんとはフラーレンって名前だとか」
由香「おー、アッタマイーい」と、茶化す(^^)。
友里絵「なおきしょー。」
由香「象印賞ー。」
愛紗「懐かしいな。それ」
友里絵「一週間のご無沙汰でした。タマオキです」と、股間に手を置いて
由香「アホ」と笑う。
菜由「なんかそっちがスキだな」
友里絵「欲求不マンだ」
由香「マンが不満な」
菜由「ははは、じゃ、男はさー」
友里絵「不チンか。あ”-あ”-、日本は不チン空母です」
由香「それはさすがに古すぎるだろ、誰もわからんな」
菜由「さ、メシメシ。ふざけてるとバスに乗り遅れる」
友里絵「バス何時だっけ」
愛紗「10時8分」
友里絵「あ、じゃー結構あるね。まだ8時前だよ」
由香「でもさーぁ、友里絵ががつがつ食うから。1時間は掛かる。」
友里絵「ハハハ」
菜由「まあ、食えるうちはいいさ。」
由香「おおきくなれよー」
友里絵「はいりはいりうえはいりおー」
由香「それは流石に誰も・・・。」
友里絵「わんぱくでもいい、たくましくそだってほしい」
由香「どこが?」
友里絵「マルダイウィンナー」
菜由「ウィンナーはちっちゃいなぁ」
友里絵「石川さんのは馬さらみ」
菜由「ははは!そんな」
友里絵「写真見せて」
菜由「撮ってないよ、そんなの」
友里絵「ひっひっひー、おじょーさん、写真撮って」と、危ない顔。
由香「メシメシ」
菜由「そだね」
206から出て行く。
友里絵「置いてかないデー」
愛紗「だいじょうぶだよ」
友里絵「愛紗はやさしいなぁ」
とてとて・・と、部屋から出て行った。
エレベータの前の2Fロビー。木曜とあって人はいない。
大きなガラス窓に、阿蘇山が霧に煙って。
「綺麗ね」と、愛紗。
「うん」と、友里絵。「ねぇ、ホントに九州に帰るつもり?」
愛紗は「・・・だって、大岡山に居てもドライバーは続けられないし。
ガイドに戻るのも・・・なんかね」
友里絵「そっか。」
それだけだった。
とことこ・・・と、友里絵はスリッパで降りていく。
・
・
・
人吉の真由美ちゃん。今日の仕事は、観光列車で吉松まで。
折り返しで人吉。そこから、特急乗務で熊本まで。
ワゴンの荷物は熊本で積み込むので、人吉では交替だけ。
熊本に着いた時に補充する。
観光ガイドもするので、CA、と言う職名に一番近い。
制服の上着は、新幹線に乗務する人と同じ。
黒が基調で、スマートに見える。
そのあたりが気に入っている。
スカートでなく、スラックスをはいてもいいので
普段は専ら、スラックスだった。
動き易いし、機能的だ。
乗務する列車を、ホームで待った。
編成最後尾から、きょうは乗り込む。
グリーン車があったり、食堂車がある場合は
そのあたりにワゴンの基地があったりする。
車掌室の近くに、ワゴンを収納する場所と、倉庫が付いていて。
新しいデザイナーズ・トレインは、そういうところもよく考えられていた。
「今日、熊本でお兄ちゃんに会えないかなー。」
なんて、思う真由美ちゃんだった。
縁談ゲーム(?)を、お母さんが考えてるなら。
お兄ちゃんの気持を聞いておきたいなぁ、なんて・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます