第319話 釣り釣り

「んで、なんの話だっけ」と、菜由。


「雨の旅」と、愛紗。


ああ、そうだったと菜由はいい「友里絵が居ると話にならん!」


「女はこれだから・・・なんて言うとさ」と友里絵。

「モリソーリみたいに首になる」と、由香。さらりと。


ゆかさーあ、ソーリじゃないって、と、菜由は笑う。


友里絵「じゃ、ゾーリ?」

由香「どっちかっていうと、ゲタだな」


友里絵「便所のゲタか。♪からーんころーん♪」


菜由「そうそう。小学校のそうだった。コンクリートの土間になってて。」と。


愛紗「木のゲタっていうか・・サンダルみたいなの。」



菜由「懐かしいね・・・って、これだからもう、女が居ると会議にならん!」


由香「会議かよ」(笑)。



愛紗「そうそう。雨だったらトンネル公園は止めて、そのまま下って行くと・・・

立野でSLに乗れるね。」



友里絵「あ、SL!のりたーい、のりたい!」と、はしゃぐ。


由香「ディズニーランド以来かな」


愛紗「じゃ、それにしよう。乗れると思うよ。木曜だし」


菜由「指定席だっけ?」


愛紗「そう」



友里絵「SLで、どこまで?」


愛紗「行き先は宮地まで」



友里絵「♪わたしーがーささーげーたぁー♪」


由香「おさむちゃんか」


友里絵「どうも、すんずれいしました」と、敬礼。




由香「カトちゃんね」と、笑う。



愛紗は「宮地で30分待ちで、特急で大分までだから・・・SLに乗らなければ

立野から特急で一本なの。

トンネル公園見ると、そのパターンだけど。

乗っているだけだと、楽だけど飽きちゃうでしょ」


菜由「愛紗ってさ、駅員よっか旅行センター向きかも」


愛紗「うん、でも、アレって売るんでしょ?ツアーを。

これは楽しむんだもん」



友里絵「まあ、商売商売!」


由香「あったな、そんなTV」


菜由「クイズ、世界はショーバイ・・」


愛紗「そうそう、あったねー、そんなの」


と、話は尽きない。


友里絵は「でも、大分まで戻ると・・・ついに終わっちゃうなって思う」


由香「うん、まだ二日あるから」


愛紗「そこから由布院に行って2泊。いいところよ、あのあたり」


友里絵「それで、帰りがまたブルートレイン」


菜由「帰りの夜行って、なんかもの哀しいんだよね」


愛紗「そうそう・・・また来れるかな、なんて思って。ああ、帰りたくないなー。」



友里絵「よく考えるとさ、あたしたちって帰らなくてもいいんだよね」

と、真髄を突く(^^)。



由香「どして?」


友里絵「だってさ、こっちで就職しちゃえば」


菜由「ま、あたしは帰るけどさ」


友里絵「まあ、こぶつきは別として」


愛紗「こぶって」(笑)。



友里絵「ちゃらーん!!」と、おどけた顔で


由香「それはこん平」


友里絵「どーもー、テレビ探偵団ですー」


菜由「それがこぶ平。なつかしいねぇ」


友里絵「ご冥福をお祈り」と、両手を合わせて



由香「まだ生きてるよ」


菜由「まだって」


愛紗「面白いね」



賑々しくも、KKR南阿蘇206号室・・・。


旅も終わりが近づいて、どこかうら淋しい。

そんな気持を吹き飛ばすみたいに、はしゃいでる・・・のかも。





「じゃ、寝るとするか」と、菜由。


「クリスマスの夜ってさ、寝るのが勿体無くて、寝なかったっけ」と、由香。


友里絵「そうそう。お正月とかも」


愛紗「楽しかったなーあの頃」


菜由は「だんだん、家族よっか友達の付き合いが増えて。クリスマスもお正月も」


友里絵「そうだねー。なんか。友達の家でパーティーしたり。」

由香「オマエんとこでやると「うるさい」って怒られたじゃん」


友里絵「そうそう!で、公民館でやろうか、とかさ」


愛紗「公民館」(笑)。


由香「でも、団地の公会堂もさ、騒ぐと結構響くじゃない、コンクリだから」


友里絵「それでダメになった」



菜由「うちらはないなー、そういうの。」


愛紗「そうだね。なんか。田舎だからかな」


友里絵「九州だと、あんまり騒ぎたいって思わないね」


由香「そうかーぁ、けっこう騒いでるけど」


友里絵「そっか、ハハハ」




「さ、寝よ寝よ」と、菜由。


愛紗「疲れた?」


菜由「疲れた、友里絵の相手してて。」


友里絵「おばさーん」


菜由「うるさい」


友里絵「ハハハ。でもさ、子供できたらあんなもんじゃすまないよね」


菜由「だから、広いとこがいいわけ」


愛紗「なるほど・・・広ければ、ほっぽっといていいもんね。

子供もストレスないし。それいいかもね」



友里絵は「だからさ、アイドルってみんな田舎の出でしょ?最近。

都会の生まれ育ちってほとんどいない」


由香「けっこう当たってるかも」



友里絵「あたしらのころは、まだ原っぱとかあったもんなぁ」

由香「そーだね。ゲームで遊んでる子なんてあんましいなくて」


菜由「それでね。もともと・・石川と結婚した時、いずれは戻ろうって

思ってたの。鹿児島に」


愛紗「それで

「鹿児島に新婚旅行に」

って言ったの?、深町さんに」


「その話ヤメヤメ」と、ちょっと菜由はテレる。



友里絵「まだオトメちゃんだったんだもんね」


由香「お姫さまドレス着て営業所に来たんでしょ?」


菜由「その話しもヤメヤメ」


愛紗「可愛かったなぁ、あの頃」


友里絵「いまはBBA」


愛紗「そんなこと言ってないって」



友里絵は「それみてタマちゃん、なんて言ったの?」


菜由は「かわいいよ」って。



愛紗「そう言ってくれただけで、嬉しいんだよね」



由香「うんうん・・・で、違うのが釣れた」


愛紗「釣れた」(笑)。



友里絵「でも良かったんじゃない?それで」


菜由「そうだよね・・・。そう思う」



友里絵「石川=外道説か」


ははは、とみんな笑う。


菜由「外道かい」

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