第314話 馬さらみ
「ごちそうさまでしたー」と、友里絵は
ウエイトレスさんたちに、ご挨拶。
「おいしかったですー。」と、由香。
かわいく。
菜由も、ご挨拶「ごちそうさまでした」
愛紗も、続いて「ありがとうございます」と、ご挨拶。
食堂を出た、右手には
おみやげものコーナー。
「あ、ちょっと見ていこ」と、友里絵。
とっとことっとこ・・・。
「馬の油だって」と。
シャンプーとか、クリームとか。
クリームのびんを開けてみると、白い。
「なんか、ふつうだね」と、匂い嗅いだり。
「犬だろやっぱ」と、由香(^^;
売店のおばちゃんが来て・・・。「荒れを防ぐのよ」
友里絵は「アレを防ぐ・・・うーん・・。塗るの、これ?」
おばちゃん、こくこく。
友里絵「ねー、試していい?」
おばちゃん、こくこく。
友里絵は指につけて・・・お股に塗ろうと、屈んで。
由香が「まてまて。どこに塗る気だ」
友里絵は「だって・・・アレを防ぐんでしょ?塗るならアソコ」
おばちゃんはげらげら「おもしろいねぇ、お嬢ちゃん。高校生?」
由香は「いえ、20です。頭の中身は幼児並み」
おばちゃんは、まだ笑っている。
日焼けの顔。にこにこ。パーマの頭。制服がモダーンで、なんかユニーク。
友里絵は、食べ物のコーナーへ。
干した大根とか・・・おもしろいものがある。
お味噌、お米。
「なんでもあるねー。あ、馬さらみだって」
ぶっとい、ソーセージ状の物体を右手で掴んで。
右手を前後に・・・ごしごし。
由香が「なんか怪しいなぁ」
友里絵「男の手仕事」
フロントマンも、笑っている。
愛紗は・・・・既に消えていた(笑)。
いないと思っていたら、ロビーの向こうにあるカフェ・バーに。
「高森神楽・・・・か」
秋に来ると、見れるんだな・・・・。なんて。
ホールは結構広いので、お神楽をしても賑わうだろう。
バーのコーナーは、シーズンなら賑わうだろうけど
オフシーズンの水曜とあって、静か。
そこがまた、旅情を誘う。
菜由が「なにしてるの?」と、とことこ。
愛紗が「うん、展示を見てたの」
菜由は「お神楽かー。あたし見たことあるよ」
愛紗「そう。どんな?」
菜由「うん、高千穂のと似てるけど、観客を襲う振りしたり。コミカルなの」
由香が来て「おー。此方は伝統芸能。友里絵は男の手仕事だもんなー。
やっぱ知能がなー。」
友里絵は「いいじゃん別に。
由香「まあ、いいならいいけどさ」
愛紗も思う。いいならいいんだ。
妙なところに同感する(笑)。自分の選択を、人と比べなくて、いいんだ。
そう、自分にも言いたいのだろう。
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さて・・・かたや。人吉温泉芸者(笑)恵はと言うと・・・。
日光さんのお家の離れで、のーんびり。
ご飯食べて。「ごちそうさまでしたー」と。
真由美ちゃんはにっこり「はい。よく食べました」
恵は「なんか、その言い方、おばあちゃんみたい」
真由美ちゃんは「おばあちゃんがよく、こうして」
恵は「真由美ちゃんのおばあちゃんって・・・KKR人吉に居るって言う?」
真由美ちゃん、こくこく。頷く。
恵は「いいなー。ずっと、働いて来たんだね」
真由美ちゃんは「恵さんは・・働かないんですか?」
恵「だって、結婚して・・とか考えたらその後はムリでしょ、乗務員は」
真由美ちゃんは「まあ・・・車掌は無理かもしれないですね。駅員とかだったら。」
恵は「駅でもねー。・・・あ、ローカル線の小さな委託駅とかだったら。」
真由美ちゃんは「愛紗さんの伯母さんがしているそうです。久大線の庄内駅で」
恵は「へーぇ。そういうのってあるといいね。仕事のクチ。・・・でも、今は。列車に乗るの。」
真由美ちゃんは「そうですね。まだ若いし。」
恵「女ってメンドイよね。顔だってメークしないといけないとかさ。誰がきめたの?って
言いたくなる。しないで乗務していいのか、って言うと・・・。」
真由美ちゃんは「男の人でメークすると問題になるし」
恵「はは!そーだね」と、お膳を持って
この離れの台所に。
真由美ちゃんは「あ、いいです」
恵は「いいの。この位やらせて?お世話になったんだし。無理やり」
真由美ちゃん「無理やり・・・。」と言って、さっきのことを思い出して笑った。
「ホントにここに住むんですか?」
恵は「ま、現実には無理ね。」と、笑った。
真由美ちゃんは「はは」と、笑った。
・・・なーんだ、冗談か。
・・・・ホントに、お兄ちゃんの押しかけ女房(笑)になるかと心配だった。少しだけ。
でもまあ、他の人に取られるよりは・・・いいけど。
フクザツである。オトメこころは。
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