第264話 寝台特急「彗星」

「ごはん、食べてく?」と、友里絵。


菜由は「一旦、お部屋行って涼んでからの方がいいかな」


由香は「そーだね。暑いとアレだし」


友里絵「アレね」


愛紗「便利な日本語」


真由美ちゃんは、国鉄マークの浴衣がお似合い。

「ほんとですね。外国人に伝えるのは難しいかもデス」


友里絵は「鴨、かわいいね」



真由美ちゃんは、にこにこ「いっぱいいますよ、球磨川にも」


愛紗は「食べ物いっぱいありそうだもんね」



友里絵は、マネしながら「こうやって、お尻だして水草食べるの」

にこにこ。


真由美ちゃんも「そうそう!かわいいですねー。時々、島にあがって。

ぶるぶるっ、てして。羽根をひろげて。ぱたぱた。」


友里絵は、真似して「ちょこちょこ歩くのね」


真由美ちゃん「そうそう・・・かわいいですね。雛が生まれると、かわいいなー。」


菜由「いっぱいくっついてきて」


愛紗「一緒に浮かんでるのね。川に」


半地下のお風呂から、階段を上がって。

つるつるの廊下を歩いて。乙女向き階段(^^)を上がって。

二階へ。



オジサマ方は、お先にご飯に行っているみたいで・・・・。



「少し後の方が良さそうね」と、菜由。



友里絵「そーだね」


由香「また、コントやってくれとか言われると・・・・。」



真由美ちゃんは「言われたんですか?」



菜由は「そう。国鉄の・・・なんだっけ、局長さんが」



真由美ちゃん「局長ですか。わたしはお会いした事ないですけど。

いい出会いでしたね。」



由香「それで宴会ネタやって、受けたっけね」



友里絵「国鉄に就職しなさいって」


真由美ちゃんは笑って「いいですねー。そういう方がいらっしゃると。

職場が明るくなりますね」


お部屋に着いて、鍵開けて。

愛紗は「さ、どうぞ」


由香は、さっ、と入る。

菜由も、つづいて。


真由美ちゃん「あ、では、お先に・・・。」


友里絵は最後に。「あ、両手塞がってて。ドア閉まんない」


由香は「頭使えよ」



友里絵は、頭でドアを押した。



由香は「そーいう使い方もあるか」(^^;




友里絵はお部屋の奥に立って「みんなで浴衣着てると、寝台車みたい」


由香は、座卓のそばに座り「来るとき乗ったねー。」



真由美ちゃんは、床の間の側に座って

「いいですねー。のんびり旅。わたしは、修学旅行で乗ったくらい」



愛紗は、窓際の椅子で「わたしも、修学旅行は乗ったな。大阪行きだったかしら」


真由美ちゃんは、列車名を 「

「彗星」でしょうか。 」と。




愛紗は、思い出すように。「そうだったかな。宮崎から。・・・団体専用だったかもしれない」



菜由は、窓際の椅子に座って。

「わたしも、西鹿児島から。アレって、乗ってる間も旅、って感じで

楽しかった。お風呂あるといいけど、もっと」




真由美ちゃんは「お風呂・・・そうですねー。駅の側に銭湯があるので、たいてい。

そこで入ったりするそうです。夜行の乗務員さんは。

後は、乗務員宿泊所。」



愛紗は「あ、それ、聞いた事ある。上野とかは、鉄筋の綺麗なビルだったとか。」


菜由「誰に聞いたの?」


愛紗は、ちょっと思い出せない「・・・・誰だったかな。おじさんかな、日野の」



ふと思う。・・・・日野のおじさんは、運転士だったから・・・。


寝台列車で、上野には行っていない筈ね。



そんなことを。





真由美ちゃんが「乗務員宿泊所にも、いろいろあって。

大抵は、国鉄職員の親戚の家とか・・・が、多いみたいですね。

特急列車くらいだそうです。立派な鉄筋のビルのホテルは」


友里絵が「じゃーさ、愛紗のおじさんは偉かったんだ」


愛紗は「うん、そうね」と、お返事したけど。


・・・誰?・・・が、ちょっと気になっていた。


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