第241話 7261D、大畑、場内進行!

でも、なんとなく。

友里絵ちゃんや、由香ちゃん。

菜由や、深町さん。

大岡山営業所のひとたちに出会えただけでも良かったな、と愛紗は思う。




列車は、ゆーっくり進みながら、坂道を登っていく。



「登山電車みたい」と、友里絵。

景色がとてもいい。


ふんわりCAさんが、記念撮影パネルを持ってきて「写真、お撮りしましょうか。」




友里絵は「あ、おもしろそう。」


由香は「制服借りれば」(^^)



「子供用だって」と、友里絵。



「子供じゃん」と、由香。


CAさんもにこにこ。「それでは」と・・・・。

車掌室から、自分の上着を帽子を持ってきて

「合うかな?」


CAさんは、友里絵よりちょっとふんわりなので

入りそう。

帽子はぴったり。


「かっこいいねぇ」と、友里絵。


乗車日記念、のパネルを持って。にこにこ。



CAさんも、にこにこ。


友里絵のケータイ、ストラップがいっぱいついてて

ケータイ本体より重い(^^)それで


友里絵の写真を撮ったり。


由香のケータイでも、撮ったり。



友里絵は「一緒に入って?」と、にこにこ。


CAさんは、「え、わたしですか」まんまるな笑顔。ちょっと茶色っぽい髪を

後ろで纏めて。

友里絵より年下みたいな、かわいらしい人。


友里絵と一緒に、記念日パネルを持って。



「はい、バター」と、友里絵が言って



由香「寅さんかいな」(^^)。



菜由が「撮ってあげる、はいんなよ、愛紗も、由香も」


愛紗も一緒に「入るかなー。」


菜由は「後ろに回って~。背が高い人は」

友里絵はシートに座って。CAさんはしゃがんで。

由香は斜め前。愛紗は後ろ。


車窓は、ゆっくりゆっくり緑は流れる・・・・。

空に向かって飛び出しそう。


ぐるりと回って、下り始めた。



「ありがとう」と、友里絵はにこにこ。


「いえいえ」と、CAさんもにこにこ。


本物の制服なので、胸に名札がついていて「日光」と。ある。


「日光さん」と、友里絵。


はい。と、CAさん。



友里絵は「かわいい名前、おひさまみたいね」(^^)。


CAさんは「はい。明るいでしょ?」と。ふんわり、にっこり。




「ほんと。楽しそう」と、由香。



火曜日なので、観光客はあんまりいないから

CAさんものんびり。



愛紗は「車掌さんもなさるんですか?」



日光さんは「はい。」



菜由は「忙しいですね」



日光さん「平日は、そうでもないですね。切符や精算は、端末で出来ますし

難しいものは、駅でお願いしたりします。」



友里絵「あたしたち、バスガイドなの」


日光さん「いいお仕事ですねー。いろんなところに行けて。

列車で行かれないところにも行けて。

観光列車だと、バスツアーがセットのものもあるので。」


友里絵「一緒に行くの?」



日光さん「いえいえ。列車の乗務員は列車に居ます。普通の観光列車は、折り返しです


。宿泊がセットのものは、添乗したりしますけれど。私達は乗りません。」




友里絵「いろいろあるんですね」



日光さん「はい。身近なものから、高級なものまで。さまざまですね」(^^)。


「わたしたちは、普通の列車乗務員と変わらないです。車掌業務のうち、検札とか、室内


の業務はします。

運転士を目指す人は、男子と同じように研修をしてから、車外の業務もします。

普通列車にも乗務します。」




友里絵「いろいろあるんだね」



日光さん「はい。いろいろです」



列車が、坂を下りきって駅に近づく。


日光さん「あ、それではお仕事なので」と・・・・。


友里絵に貸した上着と帽子を持って(^^)。



車掌室へ。





アナウンスをします。



♪チャイム♪


かわいらしい音。




ーーーまもなく、大畑に到着いたします。お出口は左側、5分停車ですーーーー。



と、きれいな声でアナウンス。






「あのお仕事もいいねぇ」と、友里絵。




「うん」と、由香。


関東では、あんな職業はない。

せいぜい、東海道線のグリーン車CAくらいだけれども

普通列車、通勤客。

だから、路線バスみたいなものだ。


観光地を走るのんびり列車のCA兼車掌、なんて言う

楽しそうな仕事はない。


もとより、観光地ではないのだし。


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