第232話 ヒントでピント

「ゆりえがヘンなこと言うから、こんにゃくが食えなくなっちゃったじゃんか」と、由香。(^^)。


「今晩出たりして」と、友里絵。「ふっふっふ・・・・。俺はな、刑事・・・。」

と、渋い声で、帽子のつばの手まね。


「それはコジャック」と、由香。


菜由「よく出てくるねー。」


愛紗「再放送やってたね。宮崎でも」



友里絵は、グラスを手で回して、香りを楽しむ振り・・。「いい香りだ」と。さっきの声。



「それはコニャック」と、由香。



友里絵「半分あたりー。さあ、なんでしょう?」



菜由「うーん。声が渋い、お酒? ヒント!」



友里絵「ヒントでピント!、はじまりまーす。」



菜由「それもかなり・・・懐かしいかも」



由香「わかった!」



友里絵「はい、青島さん!」



由香「声だ!」



友里絵「そうそう。おんなじ声」




愛紗「声・・・・?」



友里絵「そうです!日生さん!どうぞ!あなたの人生は上か、下か。

ハイ&ロー!」



菜由「それも懐かしいなぁ。お昼にやってたね。」



由香「鹿児島はそうなのか」



菜由「え、違うの?」




由香「うん。関東は夜」




菜由「そーなんだぁ。しらなんだ。」




友里絵「じゃーもうひとつ、ヒントです!飛行機!」





菜由「あ、わかった!」



友里絵「はい、石川さん!」



菜由「ポルコだ!」



友里絵「はいー!ピンポンぴんポン!おめでとー。白いギターはあなたのもの!」



由香「それ違くないか?司会者は一緒だけど」



友里絵「鋭いつっこみですねー青島さん!」



由香「都知事と同じ、青島です」



友里絵「キターーーーーー!!」



車掌室で、さっきのCAさんが笑っている。白い手袋で。



「はやとの風」は、日豊本線の隼人駅に到着。




「なーんか、人名に見える」友里絵。



「あるねー。九州は特に。青島もそうだし。」と、由香。



友里絵「そう!あの駅に行くと、あんたが出てきそうでキモっ」



由香「来るな!」



友里絵「行くかい!」



菜由「ははは。でもあるよね。伊集院とか」



友里絵「どーも、あの顔が目に浮かぶなぁ」




愛紗「あの、のんびりさんの」



菜由「堀えもんだっけ」



由香「ちがうちがーう。どこが伊集院なの」


菜由「あっそーか。えーと、光!」



友里絵「かーさん、いってきまーす!」と、敬礼。



由香「なんだそれ」



友里絵「ありがとう」



菜由「あれ、ナースじゃなかったっけ?」




友里絵「そう。婦人警官のもあったんだよー。」



菜由「よく知ってるなー。」




友里絵「あたし、ほら、ヒッキーだったから。」




愛紗「そうなの?」



由香「そうそう。学校嫌だからって。ゲームばっかしてた。

お父さんが「そんなもん、行かなくていい」って。

で、専門学校に入ったわけ。」



愛紗「いろいろあったんだね」



友里絵「そう。でもまあ、今は更正して」



由香「ム所帰り」


友里絵「入ってないって」



由香「コンコン」ドア叩くまね。



友里絵「入ってマース」



由香「入ってるじゃん」


友里絵「しまった!バレた」




菜由も大笑い。車掌さんも笑っている。



友里絵「あ、ウケちゃったー。」




菜由「やっぱ芸人になるべきだー。あんたら」




「なゆも来れば?」と、友里絵。



菜由は「あたし?」



由香「トリオの方がいいじゃん」



菜由「だったら、愛紗の方が」



愛紗「あたし、えー?」



友里絵「紅一点か」



由香「あたしらは黒かい」



友里絵「黒二点」



由香「あんたは赤点」



菜由「ははは。」



面白いね、と、愛紗も笑う。




隼人駅を出発したディーゼル・カーは、そこから

ローカル線らしい線路の肥薩線に入る。


力強く、エンジンを響かせて。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る