第216話 良心、良心

「やっぱ厚かましいなぁ」と、由香(^^)


「厚かましくて悪かったな」と、友里絵。


菜由「まあ、そういうとこ、あるよね。わたしだって、石川のつなぎを洗濯しに・・・」


愛紗「あの頃、可愛かったね」


菜由「あの頃はね」


愛紗「そんなこといってないって」(^^)。



菜由「でもさ、そのまんまなんだ。なんか、約束とか?」



友里絵「うん。最初はね・・・。夜遊びして、バイト行くの面倒になって。

電話すると、タマちゃんが

「いいよ、大丈夫」


って、優しく言うから、かえって悪いと思って。

無理にでも行くようになって。」


由香「そーだねー。それで悪い仲間と付き合えなくなった。良心があった」



友里絵「両親はいるけどさ」



由香「その両親じゃないっての!ほんとに無学だなぁ」


「りょーしん、りょーしん、頭痛にりょーしん」



「それはノーシン」と、由香(^^)。







友里絵「でも、いいもーん。かわいいって言ってくれるから」



菜由「それは嬉しいよね。それがきっかけなんだ。」



友里絵「あたしも反省したわけ。こんなあたしじゃダメだろうなって思って」



由香「サルでも反省するもんなー。サルまで進化したか」



友里絵「うるさいなぁ(^^)。いちおー。

それで「こんなあたしをどう思う?」って聞いたの。


そしたら


「いいじゃない?かわいいし」


って。」






菜由「それだけ?」



友里絵「うん。言葉なんていいの。いつでも優しいし。」





菜由「なーるほど。ハートか。なんかわかるなー」




愛紗「石川さんもあんまり・・・いうタイプじゃないものね」


菜由はちょっと恥ずかしそうに「うん」



「じゃ、それからずっとなんだ」



友里絵「うん。まあ、今じゃそれでよかったと思うの。

あのコンビニの経営なんて、無理だったもの。今考えると。」


由香「パートの人とか悪かったもんね」



友里絵「そう。それよっか。あの人はコンビニをやる人じゃないもの。」



菜由「それはわかるね。向き不向きってあるものね。誰にだって。

今は、東大だもんね」



友里絵「あれは、大したことないんだって。バスの方がよっぽど難しいって。」



愛紗「そうなの?」




「うん。間違えても直せるから。バスは直せないでしょ。事故になったら。」





愛紗「そうだよね。わたしも研修でそれが怖いと思ったな」




菜由「じゃさ、やっぱ電車の方がいいんじゃない?」



友里絵「でもさ、飛び込みとかあったら怖いよー。あれ。

避けらんないもん。ブレーキ掛けてもレールがあるし。


ブレーキ、きーっ!


陸橋の上から、人がぴょん。



あーーっ!!!!


窓ガラスにどかん!



血がべとー。




「やめろよ、バカ。メシ食ってんだから」と、由香。

友里絵の後ろ頭をはたく。




「いたーい、なにすんのぉ」と、友里絵。



菜由「ははは。なんか怖くないね。やっぱ芸人!あんたら」



愛紗「面白いね、その話、するの?ステージで」




友里絵「んーにゃ。アドリブでいこー。」



菜由「すごいね、それは才能だよ」



由香「あんまりおだてないでねー。ちょーしに乗るから。」



友里絵「豚もおだてりゃ木に登るー」って、登るふり。



由香「豚食っていこっか。宴会」



友里絵「そだね。たらふく食ったし」




由香「品がねーなーぁ」



友里絵「あんたもな」




一緒に、なはは、と笑うふたり。











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