第212話 本当にあった怖いはなし(^^)

「でも、あのコンビニでカップルになると必ず不幸になるって噂で」と、友里絵は

緑のお湯から出て。


由香「ああ、そういえば・・・あのお店もそれで潰れたんだし」



菜由「なにそれ?」



友里絵は、「本当にあった怖い話」の愛読者なので・・・。



「うん。あのお店の店長と、バイトの大学生が出来ちゃって。店長が鉄道自殺して」



愛紗「怖いね」




友里絵「まあ、あのお店ってパートさんが悪くて。店の品物盗んで行ったりしてたし。

店でも食べたりしてたから、儲かってなかったんだけど。それで、なんだけど。」


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そのお話を元にしたお話↓

https://ncode.syosetu.com/n9718bo/18/

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菜由「まあ、バスも同じだけどさ」


友里絵「そうそう。タマちゃんが居た時も死亡事故があって。その運転手さんを

真夏の炎天下に、一日入り口に立たせたのが岩市で」



由香「ああ、あったね。そのあと自殺しちゃって。お掃除のおばさんが

タマちゃんのバスを掃除しているとき、その話をしたら・・・

「どうせ死ぬなら、岩市を道連れにすればいいのに」って

平然と言うから、怖い、って言ってたな。」


菜由「へー。そんな事あったんだ。」



愛紗は、その理由を知っていて。


「あれはね・・・深町さんは「ミスター・スポック」になりきっているんだって」



友里絵は「ああ、あの宇宙人の映画?」



由香「そうじゃないって。スポックは宇宙人だけど、映画は宇宙船」


友里絵「似たようなもんだ」



由香「ほんっとにガサツだね、あんた」



菜由「ははは。面白いね。ふたりが居ると怖い話も面白くなる」



友里絵「そっかなぁ、ははは」


由香「稲川順二かいな」



菜由「その後、警察が動いたんだよね」



由香「そうそう。3人連続で、死亡事故を起こした運転手が自殺しているのは

ヘンだ、と。

それが、みんな岩市が所長で、いじめたからだと。

そんなことを警察に、証拠を持って話が出来て。

警察が信用するような、そんな人・・・・はさ。タマちゃんだろうって、みんなが言ってて。」



愛紗「そのおばさんの話とも合うのね。」



由香「労働基準監督署と、陸運局からも調査があって。それが本社にも伝わっていたん


だって。」



菜由「だから・・・運転課の人でもない。指令でもない。まして営業でもない。

自分たちが困るから。法律の知識があって、証明書類を作って役所に持っていける

人・・・・、と言う推理ね。」



愛紗「なるほど。その後、深町さんはバスの運転をお休みにして・・・研究所に戻った。」




友里絵「面白いね。その話。でも、それやってもタマちゃんが得しないから、違うかもね。」





由香「それはそうね。」






アルミ・サッシになっている、ひろーい入り口は

ちょっと砂まじり。

じゃりじゃり、と言う感触で開くので


愛紗はそれで、中扉のバス、日野の7m車を思い出したりした。


いすゞのような折り戸ではなく、引き戸タイプなので

砂が詰まると閉じなくなる。


そうすると走行不能になるので、いつも掃除すること、と

指導運転士の森に教わった。



なーんて事を、連想して微笑んだり。









「ゆりえはほーんと、パスタ好きだね」と、由香。

お風呂を上がって、タオルで拭いて。

浴衣に着替えて。


友里絵は、もう着替えて「うん。なんでかなー。」


愛紗「ゆうべのパスタはほんとに、豪華だったものね。」


ナチュラルチーズの、大きな塊を

くりぬいてあって。それがお皿になっていて。


茹で立てのパスタを、絡めるだけで香りが立つ。


菜由「あのレシピで使うと、他のお料理に使えないものね、あのチーズ」


友里絵「さすが、主婦の視点」


菜由「みみっちいかも」と、笑う。



由香「そんなことないよ。経済って大事だもん。ゆりえは不経済の塊」



「あたしを引きあいにするな!」と、友里絵(^^)。



菜由「ははは。ほんとに仲いいね。」



みんな、浴衣に着替えて「でも、やっぱ恥ずかしいかな」なーんて

愛紗。



由香「オトメちゃんだなー。ゆりえとエライ違いだ」



「いちいちあたしを出すな!」と、友里絵。



菜由「ドつき漫才かいな」と、笑う。


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