激突!

「それで、GTーRをやっつけたいの?」と、ルーフィはYZRに尋ねた。



「ああ、RGBの仇打ちさ」とだけ、YZRは述べた。



因果なものだな、とルーフィは思った。



ひと、それが動物から進化して

知性を持った。



その結果、貯蓄を考え、経済が生まれた。



それが、欲望を増やし


そのために、ひとは争うようになった。



神は、それに気づき

創造主として、粛正を行ったけれど

それ以前の事が、まだ、影響を持っているとは・・・・。




ルーフィの仕掛けた神経回路制御機(笑)が


今更発見されたとしても、その作用が

ここの国のひとにわかるはずもない。



そこにあるのは、小さな磁界だけなのだから。




その装置が外されても、もう、人々の心が欲望に傾くことのないように

神は、神経回路の設計図、つまり

遺伝情報を書き換えてしまったので


政治家たちが、もう欲望に狂う事もない。



その時点で、あの装置を外しておけば良かった。



そうルーフィは思ったが、もう遅かった(笑)。




時間旅行者でも、そんな事もある。。





「よーし。わかった。GTーRが

追いついて来たら。

やっつけてやろう。」と

ルーフィは、楽しそうに言った。



もちろん、追い掛けて来たら

魔法掛けてやろう、と思ったりしたし(笑)。



本当に魂が無いのか、それとも

オートバイと自動車では

言葉が通じないのか。



そんなところにも興味があったのもある。





しかし。




しばらく待ったが、GTーRのパトカーは


ルーフィたちを追って来なかった。




「どうしたんだろう?」



「さあな。じゃ、戻ってみるか。」




ルーフィとYZRは、今度はゆっくりと


ドライブするように。

図書館の方向へと走った。





途中、交番の前を通って、ふと思う。



そういえば、公安委員会が動いている割に


さっき、モペッドで交番の前を通っても

何もなかった。




お巡りさんも、暇そうだった。




ちょっと不思議だな?(笑)








帰る道すがら、ルーフィはYZRに話した。


「にゃご、って。その時のRGBのライダーだったんだけど、そのせいで地獄に堕ちて、魔物になった。

そのあと、クリスタさんに出逢って。

猫に生まれ変わってまで、クリスタさんと幸せになる事を望んでるんだって。」と、YZRに。



彼は、ふーん、と言って

「俺たち機械には、恋、なんて気持ちはないな。でも、その話は分かる。

そういう奴だから、RGBも俺に助けを求めたんだろう。俺も、奴だから

答えた。なあ、ルーフィ?」



「なに?」



「RGBは、にゃごみたいに生まれ変われるのか?」





ルーフィは、少し考え「たぶん、戻って来れるだろう。いつかきっと」



YZRは、無言だった。そして


「同士、ルーフィ。お前と俺たちは仲間だ。同じ時代を戦う仲間さ。

いつでも呼んでくれ、俺の事をさ。」



YZRは、そう言った。


機械にも、魂はある。



その事に、ルーフィは頼もしさを覚える。



それで、同士に聞いてみる。



「この国はジャパンじゃないのに、どうして君達、メイド・イン・ジャパンの機械が多いの?」



YZRは、さあな、と言って


「ラテンの機械はいい加減だし、ドイツのは壊れるし。イギリスのは

手間が掛かるし。


そこの職人が乗り移ってんだよ。」



そういうとそうだな、とルーフィが笑うと



YZRは「お前もイギリスだろう」と言って笑った。




違いない、そう言って

ルーフィも笑った。


イギリスのクルマは、油は漏るし

壊れるし。


ろくでなしだけれども、愛すべき機械たちだ。



イギリスの人々に似ているかもしれない(笑)。



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