こんどは、アクセルをゆっくりと開いた。


ワイヤーが引かれ、エンジンは

ピストンが下降するに従って

できる隙間に、空気を吸い込むが

その時、吸入管の途中にある

スロットルバルブを、このワイヤーで

開くのだ。



バルブの下には針状の、ニードルがあり

スロットルが上がると、燃料が

ジェット、と言われる穴から吸われる。


ニードルは加減するのである。




空気と油の機械は、生き物のように

熱を発して動くのである。





エンジンの回転が上がる。



ふたりのりだと、重いので


ゆっくりとしか、加速できないが



F=maである。


運動エネルギー=質量×加速度。


つまり、一人乗りより

ふたりになると、重いぶん

加速はゆったりになる。









それでも、モペッドは

心地好い風のように、走る事ができる。



めぐにとっても、ルーフィと一緒に

ドライブできるなんて


それは楽しいことだろう。





お見送りしてくれているたまぁ、それと

さむに


今度こそ、お別れ(笑)



「ありがとー、またくるね」


めぐは、夏休みの

いい思い出ができた。







バックミラー、まるい、ちいさなものが

ひとつだけついているけれど。



それに、たまぁとさむが小さく映ると

なんとなく、淋しくなって

涙ぐんでしまいそうな、めぐだった。




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