因果律

木の上でのんびりしている、にゃごと美人猫さんは

それでも、幸せそうなカップルに見える。



猫の場合は家族が無いし、恋の季節だけの関わりだから

それは気楽で、楽しいだけ、で済む。


子猫が生まれても、すぐに自立できるから

お母さん猫も、楽しい事を我慢しなくていい。


人間も、類人猿の隣人のように

子育てが楽ならば、そんなにお母さんが困る事もないが



家族を作って、管理するのは

租税の為だし、家督相続と言う

財産、なんて言う

結局課税の為に戸籍が必要だからである。



そういう不自然に、動物だった頃の記憶が

反発しているのだ。




猫のお母さんも、子猫が巣立てば

別の恋もできる。



そのくらい、自由なら

人間の子も傷つかずに済むだろう.....。




そうできないのは、子供の成長が遅いから、である。


せいぜい5年くらいはお母さんは縛られるから

ストレスもある。




そんな家族制度を保持するのは、国家であるし

租税をするのは行政で



彼らのうち、欲の深い連中は

悪い事をして、不正に金銭を得ていたから


死して、おそらく人間には転生できなかったであろう。

良くて、虫にでもなったか、地獄へ落ちたか。







のんびりしている、にゃごの目前を、羽虫が飛び去る。


その羽虫は、ひょっとすると悪い人が転生して

虫になった姿、かもしれない.....。



燕が、ひょい、と宙返りしながら空を舞っている。


動物界の中でも、鳥は比較的高尚な連中で

自由を尊ぶ魂の類、だ。


やがて、人間に転生して芸術でもするのだろうか、否

自由を好んで、また鳥に転生するのかもしれない。



その燕も、子育ての時期。


ひょい、と舞ながら

さっきの羽虫を咥えた。



そうして、羽虫は虫の生涯を終え、幾度も転生するのであろう。

元々は人間界で良からぬ役人か政治家

だったかも知れぬが、哀れな事である(笑)。



もちろん、のんびりと昼寝をしているにゃごと

美人猫さんがそれを知る由もない。




因果応報、と言う旧い言葉は

結構、それらしい事もあったりもする。


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