ルーフィの目的

ルーフィの目的は、政治を変える事ではなく

ただ、欲望が過剰な人に潜む悪意を

なくす、と言う事だった。


欲を減らせば、悪魔くんが食べていってくれる(笑)


でも、いずれは

食べ物が無くなるから、悪魔くんは来なくなる。


それで、時空の歪みは減っていって、いずれは

無くなるだろう。



そんな風に考えていた。




この国の政府要人には、クスリが利いたらしく(笑)

少しづつ、世の中は良くなっていくような

そんな感じだった。


政府銀行に政治介入するなら、と

銀行法を改正、政府補償をつけた。

代わりに、政府が一時的に経営介入する事とし

融資が得られず倒産するような企業の発生を防止。


次いで、労働基準法を改正。

労働賃金の中間搾取を全面禁止した。

戦前の水準に戻った訳で、不安定

な雇用のせいで、たとえば

リクルートさんのように、罪もない人が

自殺を考えるような状況は、少なくなる。



そして、人材派遣会社の代わりに

国が、無償で人材派遣事業を実行。

法令を守らない事業者を一掃する事もでき

なにより無償なので、企業にとっても有り難い存在になる。


仮に、仕事が途切れてしまっても

そこは国の機関なので、公共の仕事が

いくらでも都合できる。



代わりに、雇用保険、失業給付を

本当に困っている人だけに限った。


生活保護も同様である。





そして、時代に逆行するような政策だが


郵政3事業、専売、鉄道、電力などの事業に

政府が介入、公共事業資本を投入する代わりに


雇用、政府人材バンクの人間を活用させた。




なかでも、電力は発電、送電を分離させ

送電ネットワークの保守に資本を投入。


ソーラーパネルを公共施設に無償設置し

また、個人住宅でも無償貸与とした。



発電所で大量に電気を作らず、需要地で作り

ネットワークで電気を融通しあう方策である。



超伝導磁気浮上高速鉄道の敷設に並行し

超伝導直流送電線を敷設。


風力発電などからの電力、地熱、波力、水力などの

電力をこれで、低損失で電送する事で


原子力発電を廃止する。



等々(笑)画期的なアイデアで


この国の雇用は増え、景気も浮揚していった。

それは当然で、既存のアイデアを活用しただけ、で


いままでは、そのお金が、一部のお金持ちや

アメリカなどの大国にかすめとられていた、だけ。




「いつまで、クスリが続くかなぁ(笑)」と、ルーフィは

思った。



平和が続くなら、もう、悪魔くんに助けてもらわなくても

人間の欲が増長する事はない。


金銭欲よりも、名誉欲よりも


ひとを愛し、慈しむ事の方が

流行していけば、それでいいのだけれど。



そう、この国で近年、争う事が増えたのは

単なる流行であるのだから。



別に、貧しくとも無欲であれば

苛立つ事もないし、争う事もない。



欲、が増長しなければ。






めぐは、特に目的がある訳では無いけれど

本が好きな人に、本を楽しんで貰う事が好きだった。



お話や、詩。

素晴らしい作品に出会って、感動する時

ひとは、争おうなどと思わない。


そういう世界を知っていれば、良からぬことをして

金銭を得るなど、に関心を持たないはず。



めぐが思っていたわけではないけれど

本を楽しんで貰ったり、よい音楽に親しんでもらう事が

豊かな心を得、争いを好まなくするのは事実である。


それは、ルーフィたちが医学的アプローチで

行っていた事と、似たような作用を

ひとに齎す、と言うことだった。


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