第43話 予想外の連続

 アイシールドモニターと手首に装着するデバイスを返して貰い装着し起動するといきなりミライの声が耳に入った。

「ステラ!? ステラ大丈夫!?」

「うん、なにも問題ないよ。ちょっと寝てたら現地の人に見つかって――」

 こと経緯をもろもろミライに話した。

「そうだっだのね。はぁ……心配したぁ……」

「ごめんね。でも、今から調査に戻るよ」

 すると、海のほうで大きな音が鳴り響いた。

 海面から飛び出るような水の音だ。

「ステラ! そこに大きな生体反応がある! たぶん海の生物だと思うけど、クジラにしては動きが違う。魚にしては大きすぎる……」

 ミライが分析しているとスイがアクアドレスを着て音の鳴るほうへ向かった。

「スイさんが向かった。私もいくよ」

 手首のデバイスでブルースカイを呼び出しステラもすぐに現地へと向かった。


 島から少しだけ離れた海域で白い触手のようなものがいくつも海面に飛び出していた。

「ステラ、聞こえてる?」

 アクアドレスからの通信だ。

「はいっ」

「これを見てどう思う?」

 これとは大きな白い触手のことだ。

 触手だけでも3メートル以上はあり、海中の見えない部分も含めればその長さは計り知れない。

「何か生物っぽいですけど、こんなに大きな生物が自然界にいるものなんですか?」

「いるがサメとかクジラくらいだ。これはなイカの足だ」

「えっ!? イカってこんなに大きいんですか!!」

 スイはステラの反応に小さく笑い答えた。

「違うって。普段はもっと小さいよ。これが異常な大きさをしたイカだってことだよ」

「そ、そうですよね。海が怖くなるところでしたよ……」

 ミライが解析している間にスイはステラに提案をしていた。

「ステラ、空のドレスで援護をたのみたい。こいつがこのままここにいたら島に被害が出る。それだけは避けたい」

 ステラの答えは決まっている。

「もちろんです!」

 触手がさらに伸びスイを狙い迫ってきた。

「アクアドレスの戦い方ってのを見せてあげる! ウェポンコンテナ射出!」

 スイがそういうと島のほうから三つのコンテナが射出されウェポンパーツを落としていた。

 肩には三連砲が二つ。

 手にはガトリング、腰にはレールガンが装備された。

 触手を避けガトリングで破壊するとステラに合図し背後を取り引き寄せ島から離す作戦へ出る。

「あのコンテナってどうなるんですか?」

「自動で戻るよ。基本は母艦や補給艦から射出されてそのまま戻るって感じ」

 アクアドレスはガイアドレス同様に共通武器で戦うがスカイドレスやガイアドレスとの違いとして母艦などからの支援を受ける点だ。

 移動方法は海上をホバー移動する。

 その速度は平均約100ノット。

 役回りによってその速度は変化する。

 アクアドレスのマスターに求められるのは波や風速、天候をその場で判断し仲間と協力して対象を即座に制圧する能力。

 スカイドレスは単独の戦闘力。

 ガイアドレスは小隊規模による連携力。

 アクアドレスは陣形や隊列を重視した制圧力。

 サポートの役割を母艦などが担っているがスカイと違い現場での判断が多い。

「さぁ、裏側まで回ってきた。これでおびき寄せるよ」

 ガトリングを背中に装備し入れ替りでアンカーを取り出した。

「これで引っ掻ける!」

 水中を狙い見事にアンカーは本体にヒット。しかし、相手が重すぎてスムーズに引っ張ることができない。

「助太刀します!」

 ステラも引っ張りスラスター出力をあげるとようやく少しずつ引っ張ることができた。

「このまま海原の海域まで引っ張る。そこなら海軍も駆けつけるはずだ」

 しかし、ことはそう上手く行かない。

 空からアンテナ付きの銀色のパワードスーツが現れた。

 ミライから通信が入る

「ステラ! 武装したパワードスーツが接近してる。現行型の警備用パワードスーツを改造したものみたい」

「こんなときに!」

「あーまずいかも……。さらに熱源反応が近づいてる。これはなんだろう……鳥? にしては早すぎる。でも、生物反応も出てる。モニターでとらえられる距離で来たよ!」

 上空に現れたの巨大な鷹のような鳥だった。

 翼を広げると5メートルはある。

 戦闘態勢を取るステラだったがその時重大なことに気づいた。

「えっ? 武器がない!?」

 ビームソードにビームガンもなくなっていた。

 すると、スイから通信が入る。

「あ、ごめん! スカイドレス見つけたときに武器抜いたの忘れてた」

「スカイドレス見つけられてたんですね……。ど、どうしよう」

「代わりに私のウェポンパーツ送るよ。あともう一つあるから」

 ウェポンコンテナがパーツが現れる。それは砲身の長いキャノン砲だった。

「うっ、重い……」

 アクアドレスやガイアドレスに比べパワーアシストが低いスカイドレスではアクアドレス用の高威力武器の重さはスピードを落とす原因となってしまう。

「今はそれで耐えしのいで。海原の管理する海域まで行けばすぐに援護できるから」

 なんとか体制を整えるステラだったがロックオンアラートが鳴り響いた。

「銀色か!」

 ライフルを向け銀色のパワードスーツがこちらを見ていた。

「撃たれる前にこっちから撃ってやる! 狙う時間がなくてもこの距離ならけん制にはなる!」

 銀色のパワードスーツにドレスの補正なしでキャノン砲を向ける。ロックオンアラートのプレッシャーが狙いをぶれさせ精神的に押されてしまう。

 それでもやられるまえにトリガーを引こうとした瞬間。巨大な鳥が銀色のパワードスーツへ自身の羽根を無数に飛ばした。

「ステラ! 調べてみてわかった。その鳥はこっちの世界の鳥じゃない!」

「こっちの世界……ってことはつまり」

「そう、どうやってかリバースからこっちにきた鳥だよ。光る物質を優先的に狙う習性があるみたい」

「だから、あのパワードスーツを。今のうちにイカをどうにかしないと」

 振り返り狙いをイカに定めた途端、激しい波が起こりイカはその姿を現した。

「で、でかすぎでしょ……」

 本来、イカは水中で生活する生物で海面に姿を現すことはない。しかし、このイカは呼吸器官が発達してるのか皮膚も強固なのか泳ぐ力が上がったのかわからないが海面へと全体を表している。

 その大きさは。

「15メートル……。ステラ、気を付けて! 15メートルあるよ!」

 後ろには武装したパワードスーツにリバースの巨大怪鳥。正面には15メートルのイカ。そんな異常な現場にスカイドレスとアクアドレス一機ずつでは力不足だった。

「ど、どうすればいいの……」

 ステラが動揺しているとほかの人物から通信が入った。

「ステラ、この前のお礼をさせてもらう!」

「久しぶりにドレスと共闘がまさかステラとはな。よろしく頼むぜ」

 そこに現れたは改修したレッドガールを着たミソラとスカイファイターに乗ったラニだった。

 イカがステラを叩き落とそうとした瞬間、スカイファイターの機銃がイカを襲う。

 すかさずミソラがステラの前に現れ触手を切り刻んだ。

 そのナイフは前回と違い赤く発光。

「ミソラにラニ先輩! なんでここがわかったんですか?」

「私はミライに泣きつかれてね。それで向かってたらレッドのラニさんと会って事情を話したらついてきてくれたの」

「こうやってレッドとブルーの仲を繋ぎたいってのもあるけど、ステラが危険に晒されてるなら先輩として来ないわけにはいかないからな」

 スカイファイターは完全武装状態。ミソラのレッドガールもナイフ二本に標準的なハンドガンと左手には小型ガトリングを装備している

「青空の戦士たちが揃ったね。なら、ファイターの人は鳥を、赤いのはパワードスーツ。私とステラでイカをこの海域から離す。自身の安全を第一に」

 三人は同時に「了解!」と返事をしてそれぞれの相手に向かった。

 

 

 

 

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