第35話 青空へ

 夏期休暇もいよいよ終盤。

 それと同時にブルースカイの試験飛行が今日行われる。

 ブルースカイは青い装甲に細く白いラインが入ったスカイドレス。青空と雲を象徴している。

 航続距離を増やしつつエネルギー効率を良くするために平均的なドレスよりも軽量化を行っている。

 コンパクトモード搭載でオートモードによりマスターのもとへ駆けつけることが可能。

 軽量化の影響により露出部分が少しだけ多く、装甲も平均的なものより薄いため防御はエネルギーを利用したシールドや膜を体に張り、実弾を防ぎビームを中和する。衝撃はマスターに伝わる。


「ステラ、Soraシステムのチェック完了したよ」

「ありがとう」

 カコの手を借りてSoraシステムをブルースカイへ搭載。ニエーバやマチルダなどの関係者が見守るなか、ステラはブルースカイを身につけた。

「これが……私のドレス……」

 足を入れると脚パーツがふくらはぎに装着。待機中の上半身パーツに腕を通すと胴体パーツが体を包む。ヘッドパーツを装着しアイシールドモニターが起動。

「Soraシステムスタンバイ」

 Soraシステムは正常に動作している。

 完璧にステラの体にあわせて作られたドレスは今まで着てきたどのドレスよりもストレスがなく動きやすい。

「ステラ、飛んで見せてくれ」

 ニエーバのその言葉にステラは力強く頷き上空へ射出するカタパルトへと足をのせた。

 足を乗せると台は斜め上に傾き射出準備に入った。

「準備はいいステラ?」

 カコがサポートのかわりに通信をしている。

「いつでもいいよ」

「じゃあ、射出するよ!」

「うん! ブルースカイ、ステラ出ます!」

 射出されたステラもスラスターの出力あげる。青白い光が放出。

 ついに、ステラだけのスカイドレス、ブルースカイが空を飛んだ。

 ステラは高く高く浮上していく。

 風を全身に浴び体で空を感じた。

「これが……ブルースカイ……」

 まるで自分の手足のように自由に動くブルースカイにステラは感動していた。

 ニエーバの指示により短い期間ではあるが一切の抜かりがなく想定以上のレベルで完成した。


 3000メートルほど飛ぶとカコからの通信が入った。

「調子はどうだい」

「最高だよ! 今までで一番気持ち良く飛べてる!」

「さすが最高のメカニックが開発に携わっただけあるね。ここいらで武器のテストもしたいから高度を落として射出する武器を受け取ったらスカイフィッシュ落として」

「わかった!」

 カタパルトからマシンガンが射出され空中でキャッチ。小型無人機スカイフィッシュを狙う。

「ターゲット視認。……ロックオン!」

 モニターでロックオンした相手にはパーツを通して補正がかかるようになっている。

 望遠やロックオンなどをせずとも撃つことはできるが空中での高速戦闘では相手をしっかり捉えることが地上よりも難しい。

 ステラはしっかりロックオンして最小限の弾でスカイフィッシュを破壊。

「さすが~。次は近接武器のテスト行くよ。肩の後ろにビームソードを一本ずつ用意してるからそれでスカイフィッシュをやっちゃって」

 再びスカイフィッシュが現れる。

 右のビームソードを取りビームの刀身を出現させる。出力は弱めてあるが人間や動物程度なら簡単に切断できる。

 スカイドレスの身体露出部はこういったビームソードや近接武器に対してもしっかりとエナジーシールドで防御してくれるため、余程のことがない限り一撃で落とされるということはない。

「速いけど問題なく追い付ける!」

 ブルースカイは機動性とエネルギー効率をメインに伸ばしたドレス。容易にスカイフィッシュへ追い付きビームソードで破壊。

「さすがステラね。次は模擬戦だよ」

 通信の声がカコではない者に変わった。

 ステラは一瞬戸惑ったが模擬戦相手をみて状況を理解した。

「この私に黙って専用のドレスを作ってるなんて許せませんわ!」

「第二だけどできる限りがんばるぞ!」

 VⅡ型ベーシックスカイドレスを着たリリーカとミチが現れた。

 通信はカコからミライヘとチェンジしていた。

 地上を望遠モニターで見てみるとミソラやウララたちの姿も見える。

「みんな戻ってきてたんだね!」

「ステラさんこそ目覚めたのなら連絡してくださればいいのにカコさんと一緒にドレスを作ってるなんてずるいですわ!」

「まぁまぁ。カコからステラが目覚めたってのを聞いてみんなで戻る日を早めてあわせたんだよ」

「で、いきなり模擬戦を仕掛けてくるなんてね」

「ただ再会するのは面白味に欠けますわ!」

 そう言いつつリリーカは射出された模擬戦用の武器を受け取った。ミチも同様に武器を手に取った。

「ブルースカイの初模擬戦に相応しい相手だよ。ブルースカイ、行くよ!!」

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