第18話 サマーフェスティバル開催!

「ご来場みなさん! お待たせいたしました! これより今年のサマーフェスティバルを開催します!!!」

 花火が鳴り響くと同時にビルの間をスカイドレスが、空をスカイファイターがスモークを焚いて現れた。

 少しずつ身近に浸透し始めたスカイドレスにスカイファイターだが、それでもここまで近くでこんなに大量に見ることはない。

 空には10機をを超えるスカイファイターがオープニングセレモニーとして見事なアクロバット飛行を披露しスカイドレスは低空にて曲に合わせ空中ダンスを披露する。

 都市のほとんどは車両の通行が禁止状態の歩行者天国。関係者の車両以外は一台も通っていない。

 さらに都市の中心にある巨大ドームでも様々な催し物が開かれており、2日間開かれるサマーフェスティバルだが時間が足りずお金があっても全部は堪能できないと言われるほどだ。

 むしろ、それが狙いで注目のイベントを同時に行うことで来年は違うのを見ようと思わせたり半分半分見ようと思わせてリピーターにさせる作戦だ。

 サマーフェスティバルの様子はしっかりとあとから見ることができるが本物に勝るものはない。

 誰もがすべてを見たいと願うのだ。


「今年は期待の1年たちによる様々な出し物が用意してあります。去年まで1年は飲食を出すのがほとんどでしたが今年はマスター科とパイロット科の生徒たちが自分たちの得意分野、スカイドレスとスカイファイターに関連する様々な出し物を披露してくれます。ぜひお楽しみください!!」 

 このイベントでは全員が注目の的。

 2日間は夜以外都市に静かな場所はどこにもない。


「かごの中に入ったら手すりをしっかりと持ってください。スカイドレスで支えますが方向転換をするさいに揺れますのでしっかりと立っていてください」

 第一航空隊の空中散歩は大盛況。

 すでに並んでいる人数と当初の周回する速さで計算した際に全員は乗せられないことがわかってしまった。

 ミライは何とか少しでも多くの人たちを乗せるために頭を回転させた。

「周回速度を上げると乗ってる人が振り回されて楽しめない。一人用のかごだから一回の人数は増やせない……。メカニックは一人だから負担も集中しちゃうし。いや、今は順調に進んでいる状況を喜ばないと」

 サポート科はミスが許されない。

 一つの報告や確認のミスが事故や人命関わるからだ。

「次は私たちの出番ですわ! 優雅な空中散歩をご堪能いただきましょう!」

「しっかり手すり持っててね」

 ステラとリリーカはかごの取っ手をもってゆっくりと浮上していく。

 都市の1ブロックを1週。

 なんてことはないことなのだが、今の都市はお祭りムード。人だかりができておりたくさんのイベントがいたるところで開かれている。

 それを少し上から見下ろせるというのは貴重な体験だ。

「わぁ、すごい! あんなとこで踊ってる!」

「あっちもすごいよっ!」

 ステラとリリーカのかごに乗っている少女はあちこちを見渡しながら見える物すべてに興奮していた。

 リリーカはステラに通信を入れた。

「いいものですね。こうやって皆様が喜んでくれるのを直で見れるというのも」

「みんな楽しそうだよね。見てるこっちまで楽しくなるよ」

「これ、ステラさんの言ってた空で希望を与えるってのに近いですわね」

「かもしれない。まだ救える命も与えられる希望も小さいけど、少しでも私たちの力とこの体験がみんなに届いてくれれば今は満足」

「あなたはおそろしいほどに一つを見続けていますわね」

「ちゃんとみんなのことも見ているよ」 

 空を駆ける者たちによる一大イベントがついに開催された。

 少女も少年もみんなを楽しませたいという思いで空を彩り都市を盛り上げる。

 今のこの瞬間だけはスカイファイターとスカイドレスは手を取り合い協力していた。


 一方、空中レース開催までの間コースの警備にあたっていたララァ達。

 一番遠くにるモエは不審な飛行物体を確認した。

「こちらモエ、飛行物体を確認。練習の連絡は?」

「こちらララァ。こっちには何も連絡は来てない。コース上だから通信を入れて外れてもらって。もし、聞かない場合は威嚇射撃を」

 モエは近接戦闘において部類の強さを発揮するが長距離射撃はまだ練習中。

 しかし、長い砲身のキャノンを空の飛行物体に向けて通信を入れた。

「こちら、大地陸行科学高等学校第一陸行科モエ。青空航空科学高等学校からの依頼によりこの周辺空域と地域の警備にあたっている。そちらの所属と名前を告げ周辺空域から外れなさい」

 空に飛行物体は三体。

 二体はどこかへ飛んでいき一体はそのばにとどまった。

 長距離射撃用のカメラで見るとその姿はスカイドレスだった。

 茶色いポニーテールが揺れて白色のシンプルなドレス。しかし、スラスターはX型のものだ。

 ボディスーツの上から制服を着ており青空高校のものでないことがわかる。赤チェックのスカートを確認しそれをララァに伝えようとした瞬間だった。

「白い髪の子……。そうか、あれがモエちゃんだね。ぼくを楽しませてくれるかも」

 上空のスカイドレスはジャミングパルスを放出。

 自身も含め周辺のレーダーや通信機器、カメラが使えなくなった。

「敵か!?」

「本番まで時間あるし少し相手してもらおうかな」

 スカイドレスの少女は急降下を始めた。

 順調に進んでいるはずのサマーフェスティバルに忍び寄る不穏な影。

 少女と少年たちは人知れず対処にあたることとなっていく。

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