第9話 スカイドレスVSガイアドレス 2

 ララァはウララとステラの前に現れた。

 ローラーの甲高い音を出し二人を追いかけるように誘った。

「何か策があるみたい。ウララ、迂闊に行くとあぶな――」

「ぶっ倒してやる!!」

「あー、じゃあそうしようか……」

 ウララは全速力でララァを追いかけステラもその後ろをついていく。

 ララァは大げさに砂を巻き上げるとウララはたまらず浮上。

 しかし、そこをスナイパーが狙い撃つ!

「うわっ!? スラスターに掠った! 損傷は軽微だけど少し違和感があるかも」

「ウララさん、あまり最高速を出さないように移動してください。冷却系と制御系に異常が出ています」

「減速するしかないか……。ステラ! 周囲の安全確認をお願い」

 高度を下げるウララに対しまだ地面では砂が巻き上がっている。

「さっきのガイアドレスの反応がない? でも、どこに……」

 ステラが周りを探していると砂煙の中から攻撃を撃ってきた。

「チッ! せっかく砂でレーダーをかく乱したのに!」

 ガイアドレスは砂の中に隠れることにより一時的にジャミング効果を発生させることができるのだ。

「ウララ! スモークを!」

 スモークを焚きながらララァに接近しナイフでの白兵戦をしかけた。

 ララァも同様にナイフを取り出し対応する。

「やるじゃない! あなた、名前は!」

「ステラ。あなたは?」

「ララァよ! 違法占拠なんかしなければもっと仲良くできたかもしれないのにね。もったいないわ!」

 地上に特化したドレスだけあり超低空地上すれすれの状態ではスカイドレスには分が悪い。

 しかし、それ以上にステラは相手の発言が気になった。

「あなた達が違法採掘してるんでしょ?」

「はぁ? 何言ってんだ。私たちはここを守ってんだぞ」


 そのころ、ソレイユたちは別の場所で待機していた。

「はぁー、まさかしっかり当ててくるなんてね」

 ルナはスカイドレスを脱ぎ自身のスラスターの損傷を眺めていた。

「悪い悪いって。思ったより新武器の貫通力があってさ」

 そこにいたのはガイア側の4年だった。

 実は今回の戦いはスクランブル発進、緊急指令のさいの感覚を実際に体感してもらうために毎年スカイとガイアの1年トップ5を巻き込んだ実践訓練だった。

「今年は大地高校どうなの。いい子たち来た?」

 ソレイユが問いかけると大地高校4年の生徒はサムズアップを見せた。

「バッチシ! スナイパーに中距離近距離担当にトラップマスター、それに人間武器庫に鋼のメンタルを持った子もね」

「バランスいいなぁ」

「ソレイユのとこもいい感じじゃない。今日初めてみんなワンオフのドレスに乗ったんでしょ? にしてはしっかりと動けてるじゃん」

「あの子たちようにセッティングしてるからね。みんな直感で動くタイプだからいびつだけど調和すると誰にも手が止められなくなるタイプって感じ」

「そりゃ楽しみだ」

 青空航空科学高等学校と大地陸行科学高等学校、さらに海を移動するアクアドレスを扱う海原水平科学高等学校は仲が悪いどころかお互いに切磋琢磨し協力関係にある。

 夏前のそれぞれの1年が学校に慣れた時期にスクランブル出動するのは毎年の行事なのだ。

 ちなみに裏ではスカイファイターの1年がガイアタンクと戦闘を行っている。

 2年は海原学校と戦闘を行っている。 

 空はどんな環境でも戦えるために基本的に相手に合わせたフィールドで模擬戦を行うことになっている。



 青空と大地の戦いはステラがきっかけを作った策により大きく進展する。

「ねぇ、視界がいまだに悪いと思わない?」

 ステラが問いかける。

 周りを見てみるとララァの周りはスモークで完全に覆われていた。

 ステラが戦いながら撒いていたものと上からウララが蒔いたものだ。

「視界を悪くすればそっちだって不利だろう」

「どうかな?」

 ステラはスラスターの出力を一気に上げてその場でターンを決める。

 すると、ステラがターンをする下からスモークの中へともう一人高速で入ってきた。

 青空学校1年最強のミソラだ。

 通常のものより威力が増したナイフで一気に斬る。

「くそっ! 通り魔かよ」

「駆動系をつぶした。ウララ、上からやっちゃって!」

 ステラとミソラが相手の近くにいるためスモークの中でも正確に相手の位置をサポートを通じて把握することができる。

「フルバースト!!」

 スカイスクレイパーに搭載されたマシンガンを連射。

 ララァはエネルギーを犠牲にシールドを張り2丁のマシンガンで撃ち返すが、スナイパーがギリギリ狙えず、サポートの恩恵をギリギリ受けられない位置にウララがいるために狙いが定まらない。

 ウララも無傷ではないがララァの攻撃はほとんど当たらなかった。

「エレキアンカー射出!」

 ステラのアンカーがララァを捉えガイアドレスは機能を停止した。


 ステラはララァを岩陰に運び事情をきいた。 

 すると、自分らと同じように相手が領土内で不穏な動きがあるため

緊急出動してほしいとう要請の元ここまで駆け付けたという。

「やっぱり。ウララ、スナイパーとマシンガン受けたけどダメージはどう?」

 ウララは索敵をしながら返事をした。

「少し飛びづらいけどそこまで困らない感じ。あれだけ攻撃受けたのに不思議だよ」

 武器の威力もお互いに実際に使われている物よりも低く調整されている。ゆえに既存の完成したドレスなら十分受けることができるということだ。

 今回、ミソラが駆動系を切ってウララが移動を完全に封じステラがアンカーで機能を停止させたから捕まえることができたが。

 駆動系が生きていればウララの攻撃のあとに逃げられていた可能性が高い。

 そもそもウララの攻撃よりも前に逃げていた可能性もある。

「今回の戦いはたぶん模擬戦なんだ。緊急時に戦う訓練」

「手の込んでることだけど実際やりそうだなぁ……」

 ステラがナイフやアンカーを収納し行こうとするとララァが言った。

「うちには最強のメンタルをもったとんでもない化け物がいる。命を確実に狙われない限り動揺しない最強のやつがな。そいつは一筋縄じゃいかないから気を付けた方がいいよ」

 すると、ステラはあっさり返事をした。

「空なら私は負けないよ」

 そういうとステラは飛んで行った。

「うちのに少し似てるかもな……。……モエ、お前ならやってくれるだろう」

 

 ユリカのジャミングを解除しモエが戦線に復帰した。

「ララァがやられた……。私がお返ししてあげる」

 モエのローラー音が甲高い音を上げた。

 

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