第15話
*
警察を信用出来ないと言うのはどういうことだろうか?
まぁ、でも確かに俺の異能の秘密を知る人間が少ない方が良い。
俺は先生と話をした後、家に帰っていた。
皆ももう帰った後で一人で家に帰る。
「友達も出来たし、まぁ少しは安心かな?」
まぁ、ボッチにならなくて良さそうでよかった。
まぁ、三年遅れとはいえ俺も三年寝ていたから、精神年齢は今の高校一年生と同じだからな。
事件の事を先生達は知っているらしい。
まぁ、俺は願書の時点で本当の年齢を書かなければいけないのでバレるのはしかたがない。
しかし、先生の中で俺に関する事を生徒には極力話さないようにと決められたらしく、生徒は俺を同い年だと思っているらしい。
気を使わせて悪いが、事件の事は正直あまり思い出したくない。
「ん? 電話か?」
購入したばかりの俺のスマホが振るえた。
どうやら電話が掛かってきたらしい、相手は……舞だ。
あまり出なく無かった、別に舞が嫌いな訳ではないのだが、まだ舞への思いを断ち切るには時間が掛かるのだ。
俺はスマホをポケットにしまった。
「悪い……舞」
俺はそのまま家に帰った。
*
「………出ない」
私は自分の部屋でそんな事を呟きながら、スマホの画面の名前を見る。
ずっと好きだった人。
彼が目覚めるのずっと待ってた。
目が覚めたら、言いたいことを全部言うつもりだった。
もうあんな後悔をするのは嫌だから……。
でも、私と彼はもう高校生と大学生、なんだかそれだけの違いで住む世界が別々になってしまったようだった。
彼は最近私を避けている。
なんでなのかはだいたい予想が出来る。
きっと、私を見るとトラウマを思い出すのだろう。
あの時一緒に居たのは私だから……。
「……なんでこうなるのかな……」
本当は彼と一緒に入学して、一緒に卒業したかった。
なのに、私が先に入学して卒業してしまった。
そんな時間の流れが私と彼の関係を変えてしまった。
「あの子……同級生かしら?」
この前あった、同じクラスの友達だという女の子。
銀色の髪が綺麗で顔立ちも整っていて、すごく可愛い子だった。
まさか私が年下の女の子に嫉妬する日が来るなんて思わなかった。
「……私の方が胸大きいのに」
そんな事を言いながら私は自分の育った胸を揉む。
男の子は大体胸が好きだと友達から聞いた。
しかも高校生くらいの男の子は年上好きな子が多いとも聞いた。
でも……。
「上手く行かないわね……」
いくら大きくなっても、よってくるのは下心丸見えの大学生ばかり。
嫌になる。
好きでもない男から見られる事がここまで不快だなんて思わなかった。
でも、私の隣にいつも聖が居るからだろうか?
あまり積極的に迫って来る男は居なかった。
「っと、噂をすればね」
そんな事を考えていると、聖から電話が掛かって来た。
「もしもし? どうしたの?」
『あぁ、高堂さん? 明日なんだけど行くでしょ? サークル見学』
「うん……でも正直どこのサークルにも入る気なんてないわよ?」
『まぁ、そうなのかもしれないけど、一応言って見ない? 面白いサークルもあるかもしれないし……』
「そうだけど……私は遊んでる時間なんて……」
『それと……彼にまだ言ってないの?』
「……えぇ、なんか最近私避けられてるみたいで……」
『まぁ、彼も目が覚めて日が浅いし、まだ混乱してるんだよ。時間は掛かるかもしれないけど、きっと前みたいな関係に戻れるよ』
「そうかしら……」
『そうだよ、僕も協力するから』
「……わかったわ、ありがとう」
彼にはいつも助けられる。
悩んでいるときや困っている時、聖はいつも相談に乗ってくれた。
男女で友情は成立しないなんていうけど、私はそんなことは無いと思う。
だって、私は聖の事を親友だと思っているから。
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