第47話 俺のハーレムに亀裂がっ!?

「ノルマは一人100枚だぞー。ティアは特に遅れてるから急いでなー」


 ギルマス部屋で裏金の分配と今後の計画を相談した後、俺とローラとピーナは3階のセクスエルム・シスターズ専用ロッカールームに向かった。

 朝から遠出のクエストに行っているレイラちゃんとエマとヴィンヴィンを待ちながら、銀行プレオープン盛り上げイベントの一つを準備する為だ。

 専用室に入るとティアが別の仕事から戻っていたので巻き込んだ次第。


「もうアタシの右手は握力無くなってきちゃったよ~。これじゃあイクっちのこと喜ばせてあげられないけど良いのかな~♪」

 このパーティーの監督マネージャーにしてドスケビッチのギャルコティアさんが、右手で輪っかを作ってシコシコとペンを手コキしている。くっそエロい。

 エルフそっくりの超美麗で上品な顔がニヤニヤと淫靡に笑う。くっそエロい。

 今日は朝からまだ一発も出してないんで股間がうずきまくりだ。

 ローラとピーナがいなかったら速攻で押し倒してる事案だったわ。


「構わん。俺は今日もエマとやるから良いのだ」

 ちなみに、4日前の日曜日に6人全員と婚約してから、ティアに対しても口調と態度を改めて素を出すようにしていた。

 ヴィンヴィンとレイラちゃんには、まだちょっと無理だ。

 エマに対しても猫をかぶっている部分はある。

 つまり、この部屋にいる女3人にだけ正直に自分を出してる感じだ。


「えー、アタシとの約束ちゃんと憶えてるぅ?」

「もちろんだ。俺はエマとハーレム婚のために、3カ月以内にお前を孕ませて貴族の爵位をもらう。忘れるわけないだろう」

「まだアタシとはキスすらしてないけどそんな余裕かまして大丈夫ぅ?」

「問題ない。俺はまず最初にエマを孕ませたいだけだ。それが済んだら直ぐにお前にも仕込みを始めるから、もうちょっとだけ待ってくれ」

 今、お前と少しでもエッチしたらハマっちゃうのが目に見えてる。

 そしたら、一番最初にエマに子供を産ませてあげるという俺の予定が崩れてしまいそうだからな。


「フーン、まぁ楽しみに待ってるわ~♪」

「貴様にしては良い心がけだが、エマ様だけでなくヴィーとも頻繁に種付けしているのはどういう訳だ?」

「ヴィンヴィンがハーレム婚を承諾する条件が『エマと対等に扱う』なんだよ。それでエマとやった回数だけヴィンヴィンともやってる」

「チッ、それでは仕方ないか。だが順序というものを心得ておけよ」

「分かってるさ。だから特別濃い汁が出る一番搾りから三番までをエマに注入してるんだ。ぼちぼち孕んでも不思議じゃないな」

「だと良いがな」

 ま、今のところオギノ式とか意識せずにただやりまくってるだけだ。

 まだ焦る時期でもないので神様と自然に任せてる。

 今月中に出来ないようなら現代知識チートで手を加えるつもりだ。

  

「お婿様、こんな私たちのサインで本当に銀行の人気が出るんでスカ?」


「必ず出る。とはいえ、これだけでは効果が薄い」

「てことは~、アタシが進めてるチラシの他にも何か策があるんでしょ~♪」

「いやそれは・・・お前たちがこの町でもクエストをどんどん成功させて有名になれば、サインの価値が上がるってことだよ」

 ティアには言えん。銀行プレオープン日の仕掛けの話は。


「フーン、本当にそれだけなのかなぁ?」

 ギャル子は心を見透かすような目で俺をジトーと見たが、それ以上追及するのは勘弁してくれたようだ。

 ふぅ、助かる。

 お前まで犯罪に巻き込む訳にはいかんのだ。

 エマの為に、汚れ仕事は俺とローラとピーナだけでやる。それがエマ同盟。


「とにかく今は俺を信じて、ギルド銀行の通帳にサインを頼む」

 信じてくれたのかどうかは分からんが、特に異論は出てこない。

 夕暮れ時のロッカールームには、サラサラとペンの走る音だけが響き渡った。




「今日はそういうの良いから、帰ってもらえるかしら」


 えっ、嘘だろ・・・!?

 た、種付けを断られるなんて・・・こんなこと初めてだ・・・

 何だ? 何がいけなかった?

 直前に3発やってきたエマの匂いはちゃんと風呂で洗い流してきた。

 他には特に何も理由は思いつかない。分からない。

 バクバクと早鐘を打つ心臓を押さえて悲痛な顔をしながら、ヴィンヴィンの表情を探るように下から仰ぎ見た。


 ツンドラ魔導師の顔は、拒絶でも嫌悪でもなかった。

 そこにあった表情は俺と同じような困惑。

 そして、これまで薄っすらだが確かにあった親密さが消え、その代わりによそよそしさが生まれていた。

 何だこれ? どうしてこうなったんだ・・・


 あっ、アレかっ、やっぱり昨日のアレしかないよな。


 昨夜、ティアに買ってきてもらったロリータ服を着せて半ば強引にコスプレHに及んだ。しかもこの国の宗教では背徳となるバックでやった。

 プライドの高い女王様との着エロに燃えに燃え上がった俺は、そのまま抜かずの3発をぶち込み、気付いたらヴィンヴィンはとっくに失神していた。

 仕方ないので服を脱がせてタオルで拭きベッドに寝かせて撤収したのだが・・・


 やっぱ、不味かったか! テヘペロ


 ロリータコスプレも着エロも後背位も全て嫌がってたもんなぁ。

 でも、何かと文句を言うのはいつものことだし、身体の方はいつも以上に感じてたのが明らかに伝わってきたんだよ。ホントだよ。

 きっと今だって、ちょっと強引に迫れば許してくれるはず!


「エマとは3発やってきました。ヴィンヴィンさんともせめて一発・・・」

 そう言って抱きしめようとする俺を青肌の美少女はひと睨みで拒絶した。

「しばらくの間、エマと対等という条件を取り下げるわ」

「えっ?」

「私の部屋にも、良いと言うまで来ないでちょーだい」

「・・・冗談ですよね?」

「今は冗談なんて言う気分とは程遠いわね」

「そんなにも昨夜のことが一大事になってたんですか?」 

「・・・そうね。本当にアナタ、やってくれたわ」

 そう言い放った時のヴィンヴィンの顔は無表情になっていた。


 あ、これマジなやつだ。この拒絶は本物だわ・・・。ゴクリ


 今はこれ以上の溝を広げるのは愚策だ。

 素直に彼女の言う通りにした方がいい。

 俺は声を詰まらせながらおやすみなさいと言ってから、のそのそと足取り重くヴィンヴィンの部屋を出ていった。



「前言撤回だ。抱いてやる、今夜!」


 バーンと扉を開いて部屋の中に入り、交尾宣言してターゲットを探す。

 既に照明が落とされた部屋は暗かったが、ナイトテーブルの魔力ランタンが薄っすらと照らすベッドの上に魅惑的な盛り上がりが見えた。

 その瞬間に獣欲が湧きあがり体中が熱くなった俺は、本能のままに獲物を求めて疾走し襲い掛かる。絵面的にはルパンダイブだ。


「キャッ♪ エマさんを孕ませるまでアタシとはしないんじゃなかったの~♪」


「こうなったのはお前のせいだぞ!」ハァハァ

 ベッドの上でギャルビッチを背後から強く抱き締める。

「イヤァーン♪ 何がアタシのせいなのぅ?」

「お前があんなロリータ服を買って来るから!」ハァハァ

 首筋にキスの雨を降らせながら時に激しく吸い上げてマーキングした。

「ウッフーン♪ それがァン、どうしたのォォン?」

「ヴィンヴィンが怒ってエッチを拒否られちゃったよ!」ハァハァ


「ちょっと待ちなさい」


「えっ・・・?」

 急にティアのキャラが豹変した。

 嘘だろ、ビッチのお前まで俺を拒絶するってのかよ。

「ヴィヴィっちが、何をどうしたのかキチンと説明しなさい」

「あ、はい」

 今のティアの言葉には有無を言わせない威厳があった。

 不思議なことだがいつものギャルビッチじゃなくなってる。

 そっくりな顔をしているエルフにでもなったかのようだ。

 その品格と迫力に押されて俺は、さっきのヴィンヴィンとのやり取りを全て包み隠さずに語った。昨夜のコスプレHの件も含めて。


「なるほどね~、つまり嫌われちゃったんだ♪ ウケる~」ニヤニヤ


 あ、元のエロ監督マネージャーに戻った!

 そういうことなら責任取ってくれ。

 ビッチで床上手なお前の肢体でポッカリと空いた胸の穴を埋めてくれ。


「だから今夜はここでお前を抱く」

「そんなのお断りに決まってるでしょ~♪」

「えぇぇぇぇぇえええええええええ?」

 お前これまでどんだけ俺を誘ってきたと思ってるんだよ。

 どんだけ俺の我慢汁を無駄にさせてきたと思ってるんだよ。

 それなのにこの期に及んで拒否るとかふざけんなぁぁぁぁああああ。


「ヴィヴィっちの代わりってのはちょっと勘弁だわ~」


「あ・・・」

 うわちゃー、また俺やらかしちまったかぁ。

 1週間前まで童貞だった俺にはその手のデリカシーが皆無なんだ。

「文字通り、他の女の穴埋め、なんちゃって~♪」

 そうだよな。失礼にも程があるよな。

「なんか、ゴメン、その、ちょっと、考え無しだった・・・」

 今夜はもう帰ろう。自分の部屋で裸正座で反省会だ。

 しかし今日は、昼間は町で英雄になってパレードしたのに、夜はどん底とか振れ幅が大き過ぎるだろ。マジ凹むわ。チンポも凹んだわ。

 だが、ため息をついて立ち去ろうとする俺をティアは引き留めた。


「この程度で萎えるなんて変態の看板が泣くわよ~♪」


 そう言われても、抱かれたくないという女相手にどうしとろ?

 不貞腐れた顔をしていると、エロ監督マネージャーは俺に『救いの手』を差し伸べた。

 右手で輪っかを作ってシコシコと前後に動かし始めたのだ。くっそエロい。

「お願いしまーす!」

 俺はスッポンポンになってギャル子の前で直立不動になる。

 頭脳はビッチだが、見た目はエルフのティアの手により、3発出して美しい顔をのっぺらぼうにし大満足した俺は足取りも軽やかに部屋に戻って眠りついた。

 俺の去ったティアの部屋では、顔中のホワイトソースを舐めとり飲み込んでは子種の魔力に酔いしれていたエロ監督マネージャーが、ひとり呟く。


「ヴィヴィっちそういうことね。でもイクっちには教えてあげないよ~♪」ニヤァ

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