第844話私たちの一つの規則
「言った通りだ、俺は2人が仲良くなってくれるまで2人のどちらとも付き合えない・・・それに、浮気してしまってたのにこのまま付き合い続けるなんてできない」
「は?後半に関してはただの逃げだよね?」
「逃げじゃなくて・・・申し訳ない気持ちのまま付き合うことなんてできないってことだ、そんな俺じゃさらに初音や結愛とは釣り合わない」
これは逃げではなく、純粋に浮気なんてしてしまった俺が初音や結愛と付き合うなんてことはしてはいけない。
「ただ浮気が逃げたからその重圧に逃げられなくなっただけでしょ?」
「・・・それもあるかもしれない、でも根本的にはやっぱり俺は、2人には仲良くなって欲しいんだ」
どうしてか具体的にはわからないけど、それでも俺のことをこんなにも好きになってくれた2人が俺のせいで喧嘩してるところなんてもうこれ以上見たくない。
「そんなのこの女がそーくんのことを好きな限り無理だよ」
「そんなのこの虫がそーちゃんのことを好きな限りは無理だよ」
どうしてこういうシンクロして欲しく無いところではいつもシンクロしてるのにシンクロして欲しいところに限ってだけはシンクロしてくれないんだこの2人は・・・
「それでも、頼む・・・悪い、ちょっと今は休ませてくれ」
俺は改めて色々なことを1人で考える必要があると感じ、自分の部屋に戻った。
ー初音Partー
「・・・はぁ、ねぇ、どうしてくれるの?どっかの誰かさんのせいでそーくんが勝手に1人で思い悩んじゃってるんだけど」
「こっちのセリフ」
「今すぐそーくんに本当はそーくんのこと好きじゃ無いって嘘でも良いから言ってきてよ、そうすれば全部解決するでしょ」
「そーちゃんのこと好きなのにそんなこと言えるわけないよね、そっちこそ私に言うんだったらそーちゃんに言ってきたら?」
はぁ・・・本当最悪。
そーくんが浮気してたってだけでもショックだったのに今はもうそーくんからしたら私は恋人ですら無いって何?
「そーくんのバカ・・・」
だから私の言う通り浮気なんてしなければこんな面倒なことにならずに済んだのに・・・それもこれも。
「そーくんの純情を弄んで楽しい?」
「それもこっちのセリフ、そーちゃんの時間を奪って何が楽しいの?」
「は?奪ってるのはそっちでしょ、過去に縛られてそーくんの今の時間を奪って楽しいの?」
「過去があって今の自分がいるんだよ、知らなかったの?」
はぁ、ダメダメ。
こういう会話をそーくんの目の前でして、多分そーくんはこの喧嘩を自分のせいだと思って自分を責めてる。
だから私たちに仲良くしてなんて言ってる・・・
「ねぇ、ルール決めようよ」
「ルール・・・?」
「そーくんの前でだけは喧嘩しない、このルールさえ守ればそーくんは思い直してくれるはず」
私と付き合い直すことを。
「・・・うん、いいよ」
こうして私たちの間ではある一つの
これからどうなるかは・・・私たち次第でもあり、そーくん次第。
はぁ、早く一つになりたいね・・・そーくん。
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