第689話完全勝利
「し、しよってまさか・・・」
「決まってるよね❤︎」
「うわっ!?」
初音は俺が頭をぶつけないようにケアしながら足技をかけて俺のことを寝転がせた。
「心臓に悪いっ!!言われたら寝転がるからそんな乱雑にしないでくれっ!!」
「心臓の鼓動を早めて、血の流れを良くするためにやったの」
「血の流れ・・・?」
俺がそう疑問を口にするのよりも早く、初音は俺の・・・を握っていた。
「ちょっとまっ!」
「ふふっ❤︎」
初音はそう悪魔的に笑うと─────凄まじい速度で俺のそれを上下に動かした。
「いっぁっ」
やばい・・・
「このまま苦し気持ちよさそうなそーくんを眺めていたいけど、できるだけ早いうちに済ませちゃいたいし、そーくんはすぐのぼせちゃうから、そういう意味でも早くしないとね・・・❤︎」
「ちょっ・・・!」
「あっ、元気になったね」
初音は冷静に言うと俺の上に跨り、俺のそれが自分の股の下に来るように自分の腰を移動させた。
「来てっ!そーくん❤︎」
一気に腰は振りかざされ、とうとう俺のそれが初音と連結してしまうのか・・・と思ったが、初音は直前で腰を止めた。
「・・・あ」
「・・・あ?」
「避妊道具忘れちゃったけど、別に良いよね?」
「良いわけないだろ!」
なんで逆に良いと思ったんだ。
「お願い!男の子が生まれたら絶対に一生そーくんに苦労はさせないからっ!」
「でも女の子が生まれたら殺すんだろ!?」
「・・・まぁ」
「・・・まぁ、で済むと思ってるのか!」
危ない、もし今初音が動きを止めてなくて行為に至って子供ができてたらと考えると・・・2分の1の確率でその子供は死んでたのか。
考えるだけで恐ろしい・・・
「さっきも言ったように!子供の性別が男女どっちでも初音が受け入れてくれるまで、俺は初音と子供なんて作らないからなっ!」
「え〜・・・」
初音が動揺している。
さっき自分でその約束だけは守ると言ってしまったからきっとそこで頭を巡らせているんだろう。
良い感じに約束が効いてるな。
「でも裏を返せば、私が男女どっちでも受け入れるなら、今すぐにでも子供を作ってくれるってこと?」
ここは頷くしかないな。
「あ、あぁ、もちろん──────」
「受け入れるー!受け入れるよ私ー!!」
「・・・は?・・・は!?う、嘘つけ!」
ついさっき女の子だったら殺すんだろと問い詰めたら「まぁ・・・」みたいな感じでばつが悪そうにしてただろ!
「ほ、本当だって!改心したの!だからもう良いよね?ね?」
ここまでわかりやすい初音は初めてだな。
これは・・・いける!
「あ、あぁ〜、ざ、残念だな〜、もし今ここに避妊道具があれば行為に勤しんでもよかったのにな〜、本当に残念だ〜」
俺はあたかも避妊道具が無いから仕方ないという方向性で行為には至らないと主張し続け・・・
「ひっく、ひっ、うぅぅぅぅ」
粘り続けた結果、初音は悔しそうに泣きながらそう言うことならと承諾してくれた。
・・・今回は完全勝利だな。
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