第604話あゆの術中
って、いやいやいや、一瞬あゆとの結婚の未来を想像してしまったけど、俺とあゆが結婚するなんてあり得ないだろ!
「からかうな!」
と、俺としてはいつものノリで言ったが・・・
「結婚において先輩をからかって、私になんのメリットがあるんですか?私だって先輩に嫌われたくないんですよ?」
これまた割と真面目な答えが返ってきた。
・・・そうか、確かにそうだな。
結婚とかそういうことでからかうわけな──────
「って!俺に嫌われたくないなら俺が嫌がるようなことしないだろっ!」
「あっ、バレちゃいました?」
あゆは舌を少しだけ出して右目を閉じた。
危なかった・・・あともうちょっとであゆに要らない謝罪をするところだった。
「・・・嫌われたくないのは本当なんですけどねー」
「ん?今なんて言った?」
「なんでもないですよ〜!それより・・・!」
あゆは俺のズボンについているベルトをとうとう外した。
「なっ──────」
「ずる〜っと♪」
あゆはそんな効果音とともに俺のズボンを下ろした。
「ちょっ!ほ、本当に脱がす気なのか!?」
「脱がすだけじゃなくて本番までする気ですよ❤︎」
「そんな解説は要らない!」
完全にあゆのペースだ・・・どうにかしないとな。
俺はとりあえずあゆに下ろされたズボンを上に戻そうとしたが、それもあゆの手によって止められてしまう。
「あ〜あ〜、ダメですよ〜?ちゃんとズボンは下ろしたままにしとかないと!私とえっちできないじゃないですかぁ」
そう軽口を叩くあゆの俺の手を抑える力は尋常ではなかった。
「いっ、ちょっ!い、痛い痛い!」
「あ〜、すいません、でも痛いのが嫌なら抵抗しないでくださいね〜」
「・・・・・・」
あゆに少しの狂気を感じてしまい、俺は手の力を緩めてしまう。
「素直な先輩は大好きっ♪ですよ❤︎」
そう言ってあゆは俺のズボンを改めて下ろし、今度は俺の下着に手をかけた。
・・・が、ここで俺は時間を稼ぎたい時が来ることを想定してここ最近時間があれば考えていたことを今発言する。
「ま、待て!」
「なんですかぁ?照れなくても良いんですよ〜?」
「て、照れるとかじゃなくてだな・・・お、俺だけ脱ぐのは不公平というかなんというかな気もするから、あゆも脱いでくれないか?」
「そんなに私の裸が見たいんですかぁ〜?仕方ないですね〜♪」
そう言うとあゆはこっちからしたら好都合だが、ノリノリで俺の提案に乗ってきた。
「ふんふふ〜ん♪」
「・・・・・・」
って!彼女以外の女子が目の前で裸になろうとしてるのを好都合って思ってる時点で俺はもしかしてあゆの術中なのか・・・?
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