第580話初音の目撃
俺はすぐに離れようとしたが・・・
「は、離れられない!?なんで──────」
なんて言うまでもなく、小姫さんがガッチリ俺のことを押し倒された体制にも関わらず両足で動きを封じてきている。
「ちょ、は、離してくださ──────」
`トントン`
「・・・え?」
部屋の外から、ノック音が聞こえてきた。
「・・・ノック?ラブホテルで他人の部屋にノックするとか・・・キモ、ウザ。すべからず死ねば良いのに」
なんかすごいこと言ってるけど、一応出たほうが良いよな・・・
「さ、小姫さん、流石にノックには出たほうがいいんじゃ・・・?」
「別に出なくていいよ、それよりほら、私とイイコトし──────」
`ガチャ`
「えっ!?」
普通にドアふが開いた音がした。
ラブホテルで誰かが訪問してくることなんて想定してなかった俺たちは鍵なんて閉めていなかったため、確かに入ることは可能だけど・・・
勝手に入ってくるなんて非常識にも程があるだろ!
俺は小姫さんに拘束され、ベッドの上から動けないため仕方なくベッドの上から声を張り上げる形で言う。
「あ、あの!用事なら後で聞くので一旦外に出てもらっても良いですか?」
俺がそう大声で言うも、ドアは開くだけで閉じる気配がない。
そもそも誰なんだ・・・?受付の人がさっきの受付に問題があって・・・みたいな感じならまだ良いんだけど、最悪のケースは・・・
「そーくん、後って何?そこで何してるの?なんでラブホテルのベッドの上で私以外の女といるの?しかもなんで押し倒してるの?それになんで今私を遠ざけようとしたの?」
「は、初音!?」
絶対にあり得ないと思ったけどまさかの最悪のケースだ・・・嘘だろ!?
「今私とこの子でイイコトしようとしてるから、ちょっと出て行ってくれる?最悪みたいなら見るだけなら許してあげるから」
「ちょっ、そんな冗談言ってる場合じゃ──────」
「なんでまだ他の女と話してるの?私がいるのになんでまだ他の女と触れ合ってるの?私がいないところでも問題だけどいるところでもどちみち有罪だしそーくん今家では監禁されてる身なの忘れてるの?それともあんな甘い換金じゃなくてもっと厳しくしたほうが良かったのかな?そもそもあんな監禁することになった理由はそーくんがその女をレンタルしたからだよね?なのにまたその女と、しかもベッドの上で押し倒してるなんて・・・反省してないってことだよね?それで反省してないってことは私の監禁が甘かったか私への愛が足りないのかのどっちか、つまり浮気してるってことだよね?」
「ま、待て初音、ちょっと落ち着い──────」
`ブシュ`
「・・・ぇ」
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