俺の転校先の学校の隣の席は完璧美少女元カノだったー嫉妬さえ失くしてくれたら完璧美少女なのに〜

第527話キスの代償

「・・・え」

　俺は急すぎることに頭が追いつかず、そんな情けない声を出すことしかできなかった。・・・え？

「・・・は？」

「・・・っ？」

「えっ・・・」

「・・・・・・？」

「あはっ❤︎」

　あゆ以外のメンバーはみんないきなりのことに驚いたような表情をしている。

　俺だって意味がわからない。

　やがて少女はゆっくりと唇を離すと言った。

「ほ、ほらっ！こんなやつ落とすのなんて簡単なんだから！」

　と言いつつも少女は赤面してい─────！？

「ごほっ！」

　瞬間、初音が俺のことを椅子から落とす勢いで俺の首を絞めて俺は椅子ごと地面に倒れた。

「そーくん、なんで私以外の女とキスしてるの？」

「は、はっ？！い、今のはどう考えても不可抗力─────」

「じゃあなんでキスされてる時すぐに顔離さなかったの？」

「そ、それはちょっといきなりすぎて反応が遅れたというか・・・」

「・・・そーくんちょっと最近私が優しくしてるからって調子乗り始めてるよね？」

「えっ・・・」

　ま、まぁ確かに言われてみれば他の女子たちとも同棲が始まってからは前よりかは色々と甘くなってる気はするけど調子に乗ってるなんてことはないはず・・・

「そんなことない・・・と思います」

「私に隠れてレンタル彼女なんてレンタルしてたのに？」

「そ、それは間違いで─────」

「そのこと彼女である私に相談しなかったのに？」

「うっ・・・」

　傷口をナイフで抉るようなことを言うのはやめてほしい・・・

「今傷口をナイフで抉らないでほしいって思ってそうな顔してたね」

　なんでわかるんだよ・・・

「でも他の女をレンタルしてそれで悩んでのに私に相談してくれなかったっていう事実の方が私の心を抉ってるんだよ？」

　それに関しては本当に何も言葉を出すことができない・・・

　もし1回ボタンを押すたびに1日時を戻せるボタンがあれば俺は少なくとも100回はボタンを連打しているだろう。

「だからね、そーくん、責任取って─────」

「はーいっ！そこまで〜♪それ以上言っちゃうと先輩が本当に責任取っちゃいそうなのでそこで終わり─────」

「なんで私がそーちゃんとの妄想に浸ってる間に虫がそーちゃんの首絞めてるの？」

　そう言って結愛は俺の首から初音の手を無理やり引き剥がした。

　ちょっと強引だけどありがたい・・・結愛は俺の首を撫でるようにして俺に言う。

「そーちゃん、大丈夫？」

「あ、ああ、大丈─────」

「っ！そーくんに触れないで」

　結愛が俺のことを心配して首を撫でてくれていると、初音はそれに苛立ったのか俺の首から結愛の手を剥がした。

「触れないでって何？私のそーちゃんなんだけど」

「は？そーくんにフられたのもう忘れたの？」

「それはそーちゃんが虫に脅されてたからでしょ？」

「は？脅してないし」

　最終的には俺が自分で決めたから別に良いけど脅されていないのかと言われれば完全に嘘になる。

　俺はあのお花見の時に軽くナイフで刺されたことを忘れてはいない。

「あ、あ、あ、あんたっ！」

「・・・ん？」

　ずっと赤面して何かを呟いていた少女が俺に指差して言った。

「わわわ、私とファーストキスしたんだから責任取ってよね！」

「は！？」