第525話総明の価値
「価値?じゃああんたは価値説明できるの?」
「うん、5年は話せるよ」
5年って・・・長すぎるだろ、そんなに経ったら俺はもう大人だ。
「じゃあ話してみて?」
少女は苦笑するように言った。
どうせそんなに話せないと思っているんだろう。
まぁ、流石に5年も話せるわけは無─────
「そーちゃんの価値っていうのは正確には素晴らしさで、そーちゃんの素晴らしさを説明するにはまず価値と素晴らしさの定義の違いから話さないといけないの、価値は物とか人間とか色々なものに対して色々な表現で例えることができるけど、素晴らしいっていうのはもうそれ以外の表現がないことなの、価値なんていう低いもので話せる次元じゃないってこと、そーちゃんは神様が私と同じ時代に創造してくれた神様と同等の存在で私が触れ合える高貴な存在なの、次にそーちゃんの高貴さについてだけどそーちゃんの高貴さっていうのもそこの虫とか他の女にも男にもわからない高貴さが──────」
「待って待って、何言ってんの?」
「何って・・・そっちから聞いてきたんじゃないの?」
「そうだけど・・・キモッ、類は友を呼ぶって、よく言ったもんね・・・」
類は友を呼ぶって・・・それじゃ俺までおかしいみたいだろ。
「類は友を呼ぶじゃないよ」
そうだ結愛、言ってあげてくれ。
「類は嫁を呼ぶだよ」
もはや意味がわからない。
「・・・やっぱり意味わかんないし」
「そう!そーちゃんと私の愛は他の誰にも侵されないのっ!私とそーちゃんにしかわからないのっ!はぁ・・・❤︎」
どうやら結愛は自分の世界に入ってしまったらしく、自分の体を抱きしめるようにして悶えている。
「うわっ、ほんとにキモいんだけど、見た目マシなやつって性格に難ありなやつばっか」
見た目マシって・・・初音も結愛も本当にトップクラスだと思うんだけど・・・あと性格に難ありな点に関してはあなたも同じぐらいだと思う。
「あの〜!早くご飯食べましょうよ〜!」
「そうですね、冷めてしまう前に食べてしまった方がいいかと」
「あ、そ、そうだな」
冷静・・・なのかどうなのかわからないけどとにかくその2人によって俺たちは結愛と霧響が作ってくれたらしいご飯を食べることにした。
その後しばらく黙々と食べていると、霧響が少量のご飯をスプーンに乗せてそれを俺の口元まで持ってきて行った。
「お兄様、あ〜ん❤︎」
「・・・・・・」
それを見たレンタル彼女である少女は動きを固め、明らかに俺に対して「こいつ妹にこんなことさせるとかシスコン?キモッ」と言うような目で見てきている。
こ、これは・・・どうすればいいんだ。
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