第516話レンタル彼女と2人きり
「はぁ、あんたと2人きりとか、気持ち悪っ」
「っ!だったら俺のことをこの部屋に連れ込まなかったら良かっただろ!」
「は、はいぃぃぃぃぃ!その通りですぅぅぅぅぅぅ!」
「・・・え?」
なんで今俺が言ったことでこんなに弱きになるんだ・・・?
ついさっきまで今俺が言ったことなんか比じゃないくらいに初音に色々言われてただろ・・・
「そ、それでぇ、そのぉ・・・さ、さっきは部屋の外で何してたのぉ?」
「え、いや・・・べ、別に何もしてな─────」
「何もしてないのに喘ぎ声なんて上がるわけないでしょ?まああんな異常者だから絶対にないとまでは言えないけど?」
そろそろこの変わり身にも慣れてきた────わけもなく、俺は相変わらず混乱する。
「でもあんな異常者でも流石に自分の家のドアは壊さないだろうし、最悪だけどちょっとの間あんたと2人きりだね」
「いや、普通に出ていけば─────」
「2人きりだね」
なんだこの圧は・・・っていうか初音が一応は自分の家だからドアを壊したりしない・・・?
それは一体どこの世界線の初音の話だ?少なくともこの世界線の初音はドアなんて平気で壊すしなんなら命まで奪ってくる。
おそらく今はドアを壊すための道具でも持ってこようとしてるに違いない。
まぁ、それをこの人に言う必要はないだろうから特に何も言わないでおこう。
「そう、ですね・・・」
お、落ち着け俺・・・俺は関係ない年上の人に普段タメ口で話したりしない。
つまり、ここで普通にタメ口で話したりしてしまうと初音からすると浮気したという判定になってしまう・・・だからできるだけ距離を取って話そう。
「ねぇ、敬語とかやめてよー」
「・・・いや、一応他人なので・・・」
よし・・・このままいい感じに距離を取っていこう。
「その感じ、うざいんだけど」
「・・・・・・」
な、なんと言われようとこれ以上初音に浮気を疑われるのだけは絶対にダメだ。
初音がこの部屋のドアを開けるまでの間なんとかこの人のことをいい感じにスルーしよう。
「あーあ、そんなことするんだったら今から脱いで「襲われたー!」ってあの地雷女に言うけど?」
「ごめんなさい調子に乗りました」
そんなことをされれば俺の首はすぐに飛んでしまうため、俺は潔く即座に謝る。
とはいえ、この部屋は監視カメラで監視されているため、下手なことはできない。
まぁ、監視カメラと言っても初音の話を聞く限りだと生映像と録画の2つがあるらしい。
「わかったんならいいけどさ?本当にそういうのキモいからやめてね?」
「・・・はい」
「・・・ね、ねぇ」
「ん?」
少女は何故か急に初々しい感じで俺の前に少女のスマホと思われる黒と紫のスマホカバーに覆われたスマホを差し出してきた。
「えーっと・・・?」
「べ、別にどっちでもいいけど連絡先交換しない?」
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